
さかざきちはるの本づくり展-手のひらサイズの大冒険-市川市文学ミュージアムで開催
チーバくんやSuicaのペンギンなど、人気キャラクターのデザインを手がけてきたさかざきちはるさん。
絵本作家でもある彼女の本づくりのプロセスをたどりながら、心温まる絵本の旅に出掛けてみましょう。
公開 2020/12/09(最終更新 2020/12/14)

細部にまでこだわるさかざきさんの絵本制作
自費出版した絵本『ペンギンゴコロ』が絵本作家としてデビューするきっかけだったというさかざきちはるさん。
▲市川市出身のさかざきちはるさん(撮影・黒澤義教)
さまざまな企業のキャラクターをデザインする傍ら、小さな子どもに向けたものや、心に染みる大人のための絵本など30冊以上を送り出しています。
中でも、自身が飼っている手乗り文鳥へのラブレターのつもりで描いたという絵本『ぴーちゃんの歌』はファンの間でも人気が高く、品切れで重版未定となった後も再版を熱望する声が上がっていました。
▲自身で手刺繍をほどこした貴重な自主制作本も展示
この絵本を再編集し『ぴーちゃんと私』として新しく出版するに当たって企画された今回の展示では、キャラクターのイラストが完成するまでの過程や、色・素材選びなど、さかざきさんの本づくりの手法が紹介されることになりました。
▲A4サイズのコピー用紙を絵本サイズに切り下絵を描く
サブタイトル「手のひらサイズの大冒険」は、手のひらに収まってしまう小さな本が、実は広い世界に冒険できる装置であり、本づくり自体が机上の小さなスペースで繰り広げられる試行錯誤の冒険である、という二つのイメージからきています。
展示は、そんなさかざきさんの創作の世界を存分に探検できる内容です。
▲2019年用『チーバくん ピーナツカレンダー』のために描き下ろしたイラスト
展示構成にもさかざきさんらしさ
絵本の中の1シーンを転写した大きなアクリル板や、会場内を巡る、キャラクターの特徴でもある黒のアウトラインなど、視覚的にも楽しい仕掛けが展示空間に施されています。
▲絵本制作の過程ではイラストを描く前にストーリーを考える
学芸員の益子さんは「さかざきさん自身がデザインを行った、今までの文学ミュージアムにはない珍しい設営となっているので、ぜひ多くの方に見ていただきたいです」と話してくれました。
▲カバーや見返しの隅々にもさかざきさんのこだわり
加えてちびゴジラシリーズのキャラクターのフィギュアや、自身も実際に調理に関わったピーナッツ料理とチーバくんをテーマとして描かれたイラストなども会場をにぎわします。
▲怪獣の人気キャラクターがさかざきさんの絵本に登場
本のぬくもりを感じながら、思わず笑顔になれる展示会へ足を運んでみてはいかがでしょうか。(取材・執筆/しーまゆ)
さかざきちはるの本づくり展 -手のひらサイズの大冒険-
会期/(開催中)~2021年1月31日(日)
開館/平日10:00~19:30、土日祝10:00~18:00(最終入館は閉館30分前)
休館/月曜日(11/23、1/11は開館)、11/24、11/27、12/28-1/4、1/12、1/29
料金/一般500円(400円)、65歳以上400円(300円)、高大生250円(200円)、中学生以下無料
( )は25名以上の団体料金
※障害者手帳をお持ちの方と付添の方1名無料
会場/市川市鬼高1-1-4 市川市生涯学習センター(中央図書館)2F
新型コロナウイルスの感染防止のため、内容に変更が生じる場合があります。詳細はホームページ、ツイッターなどで随時お知らせいたします。