【SL「デゴイチ」と流鉄客車が15年ぶりに公開】流山市総合運動公園にピカピカになって再登場!

長年柵の外から眺めるだけとなっていた流山市総合運動公園のSLと流鉄客車が、寄付金などを活用し、塗装・整備され、12月初旬から再び間近で見学できるようになりました。

公開 2020/12/10(最終更新 2020/12/14)

ちいき新聞ライター

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愛称は「ナメクジ」 日本で1番早く完成

「デゴイチ」と呼ばれるD-51型蒸気機関車は、当時の国鉄(現JR)技術院が総力を結集して製造した大型貨物用の機関車のこと。

流山市民の観覧と子どもたちの情操教育に役立てようと、旧国鉄から無償貸付を受け、1976(昭和51)年に千葉県の流山市総合運動公園に設置されました。

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▲Dは動軸の数、51は型式(テンダー型)、14は製造番号を表す

このSLは、後ろに炭水車があるテンダー型で、煙突から蒸気だめまで一体のカバーで覆われた形から「ナメクジ」の愛称で親しまれた数少ないモデル。

14という製造番号から、ごく初期のモデルと思われていたが、その後の調査で、なんと事実上の1号機と判明した貴重なものです。

当時、2社で23号機までを製造しており、14号機は1号機よりも約1カ月早い1936(昭和11)年2月に完成し大阪でデビュー。

蒸気機関車時代が終わりを告げた1975(昭和50)年末まで約40年現役で活躍し、地球59周分に匹敵する235万キロを走破しました。

稀少な戦前製造の流鉄ガソリン客車も

このデコイチは、主な活躍の場となった北海道から流山へやってきました。

途中、埼玉の大宮工場で長年のアカを落とし、臨時ダイヤを組み馬橋駅まで輸送、一旦車両を分解し5台のトレーラーで同公園に運び込みました。

1976(昭和51)年11月に公開され市民に親しまれてきましたが、アスベストの使用が判明し2005(平成17)年から柵の中の閉ざされた空間へ。

12月初旬の再公開を前に、流山市役所みどりの課の担当者は「以前は展示していた雪かき機も車体に装備し、現役当時の姿を再現しました。SLを知らない子どもたちに教養施設として使ってもらえれば」と話します。

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▲現役時代の勇姿やSLの仕組みが分かる看板も設置 

また、反対ホームにある流鉄の客車は、1933(昭和8)年から1949(昭和24)年まではガソリンを燃料に走行し、電化後の約10年は電車に牽引され客車として利用されていた車両。

戦前に製造されたガソリンカーは現在ほとんど残っておらず稀少な存在です。

(取材・執筆/琉)

住所/千葉県流山市野々下1-40-1

問い合わせ/ 04(7150)6092 流山市役所みどりの課