
【地域の謎】「道路元標」って何?千葉県内で探し歩いてみました
古い石造物探しが面白い!
旧街道を歩いていると、分かれ道に「北へ日光道中」の道標があったり、草むらに里程標を見つけたりします。
旧村役場跡前などに立てられていたのが「道路元標」と呼ばれる石柱でした。
全国日本中のどの市町村にもあるのでしょうか?
千葉県内で探してみました。
▲行徳町道路元標/市川市行徳神明(豊受)神社境内
公開 2021/06/01(最終更新 2021/05/31)

市町村名の入った石柱、道路元標とは何か?
道路元標といえば日本橋にある「日本国道路元標」が思い浮かびます。
これは石造物ではなく道路に埋め込まれたプレートで、日本橋を日本国の道路の起点にしているもの。
▲日本国道路元標
東海道、中山道、日光街道、千葉街道など七つの国道の起点となっていて、主要都市への距離が里程標に表示されています。
ちなみに千葉市までは「37粁」(粁=㎞)。
そもそも道路元標とは何でしょうか?
千葉市建設局土木管理課の小山さんによれば、「昔から主な道路の起点・終点の基準となる『里程元標』『里程標』などの標識がありましたが、大正時代、旧道路法によって道路元標を各市町村に置くことが定められます。そうして立てられたのが道路元標です。市町村役場の前や主要な道路の交差点などに設置され、市町村道路の基準点になりました」とのこと。
道路元標は直方体で大きさは縦横25㎝ほど、高さは60㎝くらい。
天辺は丸い弓型。
「○○町道路元標」「○○村道路元標」と石に刻まれた文字は風化し、読みにくくなっています。
材質は花こう岩が多いそうです。
▲川間村道路元標/野田市県道17号「川間小学校入口」バス停近く
▲睦村道路元標/八千代市島田台字明神脇1041地先
▲二宮町道路元標/ 船橋市二宮出張所前道路向かい歩道
千葉県内の道路元標を探してみよう
市町村の道路元標は交差点付近にあることが多いようです。
中には国道の中央分離帯の植え込みの中なので近づけなかったり、電柱の横や塀際に窮屈そうに立っていたり、神社境内に保護されているものも。
▲市川町道路元標/JR市川駅前千葉街道(国道14号)中央分離帯
▲船橋町道路元標/船橋大神宮「大神宮下」交差点鳥居横
▲よく見るとここに!
現在の場所に落ち着くまでには、何度も移動させられていたのでしょう。
千葉市内の道路元標を探すと、「千葉市道路元標」は千葉都市モノレール県庁前駅の下、羽衣公園近くの歩道で見つけました。
▲ロータリー内を探すと…
▲ありました!
その他、生浜町、千城村など5カ所で確認でき、町村が次々合併し千葉市になった歴史がうかがえます。
▲生浜町道路元標/千葉市中央区浜野町1130番地先
▲生浜町道路元標。うっすらと文字が見える
現在確認できないのは8カ所。
道路拡張などで行方不明になったのでしょうか。
千葉市では土木や道路のことを広く知ってもらおうと、2018(平成30)年度から11月18日の土木の日にちなんだイベントを行っています。
千葉市が誕生したのが1921(大正10)年1月1日。
「100年前に設置された道の標である道路元標をモチーフに、全国初『道路元標カード』を作成しイベントで配布しました」とのこと。
カードは、今年のイベントが開催されれば再度配られる予定です。(取材・執筆/江梨)
▲道路元標カード(表裏)
問い合わせ 043(245)5388
千葉市建設局土木部土木管理課