市原市には国内有数の石油コンビナート群があり、いったん火災が発生すると消防隊員が接近して消火活動することが困難な場合も。
そこで登場したのが、消防ロボットシステムです。
公開 2021/09/06(最終更新 2022/03/08)

ボノ
横浜から千葉に移り、ちいき新聞でライターを始めました。取材は歴史物・行政関係が多め。今は卓球を週に7回、ジムで泳いだり、ピアノ教室&弾き語りのライブをやったりと、とても充実した毎日を楽しく過ごしています!
記事一覧へ市原市消防局に新しいシステムを配備
総務省消防庁では、東日本大震災時に市原市でLGPタンク火災が発生し、消火が困難だった事例などを踏まえ、消防庁消防研究センターに消防ロボットシステムの研究開発を依頼。
2019年に市原市消防局に実証配備されました。
このシステムは、ロボットが力(フォース)を結集してスクラムを組み、指令を遂行することから、「スクラムフォース」と名付けられました。
火災発生時には、現場に急行した搬送車両から4台のロボットが現場に投入。
「飛行型偵察・監視ロボット(スカイ・アイ)」は、上空から災害の状況や経路を偵察して報告。放水後は効果的に水が到達しているかなどを監視します。

一方、「走行型偵察・監視ロボット(ランド・アイ)」は、地上から災害の状況や経路のより詳しい情報を収集。

そして「放水砲ロボット(ウォーター・キャノン)」が、偵察・監視ロボットの情報を基に、風の変化などによる放水の外れを認識し、ノズルの向きを修正して放水を行います。

それを助けるのが「ホース延長ロボット(タフ・リーラー)」。
ホースを最大300mまで自動で繰り出し、消防隊員が活動できる所まで自律走行します。

そして、ロボットを制御するのは「指令システム」。
各ロボットから送られる画像や計測データを解析し、その活動を消防隊員に提案、隊員の判断で各ロボットに活動指令を伝送します。
安全が確保され、人的被害も防止
また、多方面からの情報を収集するので、これまでの平面的な活動から立体的な活動が可能となりました。
なお、先に地図データを入力しておけば、4台のロボットが自動的に最適な位置につき、連携して効果的な放水を行えるそうです。
「災害や火災が起きないのが一番ですが、発生した場合には少しでも被害を軽減できるように日々訓練しています。新システムの導入は力強い味方です」と八幡消防署の佐藤司典副署長。
消防長官が必要と判断した場合は、県内外にも出動するとのこと。
頼もしい存在です。
市原市消防局
電話番号/ 0436-22-8116 消防総務課
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