5月の皆既月食は雲に邪魔され、関東では見られませんでした。
しかしこの秋、再挑戦の好機到来! 最大98%、地球の影に月が隠れます。
赤銅色の月を今度こそ見られるかもしれません。

公開 2021/10/30(最終更新 2022/07/28)

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東京生まれ。月の出ている日は必ず見つけて写真に撮りブログにアップする月大好き人間です。果物を食べながら、「この果物はどうやって生まれてきたのかな?」とすぐ考えるタイプ。ちなみにプロフィール写真は、以前記事作成のために撮影した栗の赤ちゃんです。
記事一覧へ地球の影が月を赤銅色に染める
今年2回目となる赤銅色の月を見られるチャンスが、11月19日に訪れます。
午後4時半には少し欠け始めた月が地平線から現れ、午後6時前後には地球の影にほぼ覆われた赤銅色の月が見られそうです(図1)。

作図:白井市文化センター・プラネタリウム
(参考 ステラナビゲーターVer.11)
冒頭の月食の写真の、欠け際の色に注目してみましょう。
「ターコイズ・フリンジ(トルコ石色の縁)」と呼ばれる青みがかった帯が見られます。
双眼鏡などを用意して観察するのがおすすめ。
今回を見逃すと、次の皆既月食は来年の11月8日です。
惑星の変化や動きで宇宙の不思議を知る
この秋は、夕方からの見やすい時間に、金星や「土星・木星ペア」も楽しみたいですね。
6月ごろから一番星として目立っている金星は、見える位置を南寄りにジワジワ移動しつつ明るさを増し、12月下旬には、今年1番の明るさになります!
昨年夏から年末ごろにかけて互いの距離を縮め、驚きの「大接近」を見せて話題を呼んだ「土星・木星ペア」は、今年夏の夜空にもペアで再登場しました。
しかし、土星の後に木星が「ソーシャルディスタンス」をさらに広げて続く姿には、昨年の熱々な雰囲気は失われています。
ただ、現在このペアが金星との距離を徐々に縮めており、月食の頃には三惑星が並ぶ姿が見られます(図2)。

ほぼ月が皆既月食になる11月19日午後6時の空の様子
東の空で月食を見ながら、南西の惑星たちにも、目を向けてみましょう。
月食も金星も低空で見えるので、特に南西と東の視界が開けた場所を事前に探しておくのがお薦めです。
さて、「人を惑わす『惑星』の不思議な動き」を身近に楽しむためのサイトを一つご紹介。
国立天文台のサイト「今日のほしぞら」です(図2)。
現在を起点とし、1日・7日・30日単位で過去と未来の空の様子を見ることが可能。
このサイトをうまく活用すると、昨年の土星と木星の大接近の様子も、振り返って体験できます。
また、インスタ映えする「三日月と惑星のコラボ」が何月何日何時に見られるかも、簡単に予測できます(図3)。
図3/月が金星、土星、木星と接近する様子(いずれも午後6時)
以上3枚は国立天文台「今日のほしぞら」サイトから、日時を先送りし、「高度方位線なし」で作った図の一部分を拡大したものです。
月が金星、土星、木星と接近する様子は、11月8日~12日にも見られます。
惑星の位置をサイトで確認して見てみましょう。
便利なサイトを利用して、月や惑星がいるすてきな空を楽しんでみてはいかがですか。(取材・執筆/F)
取材協力/白井市文化センター・プラネタリウム