「近所にあるけど、ヒッソリしていて全く足を踏み入れたことのない『大谷口歴史公園』が謎です…」と読者から投稿が舞い込みました。
大谷口歴史公園とは?
早速現地に行き、調べてきました。

公開 2022/02/03(最終更新 2022/01/31)

樹木が点在する緑地に土塁や空堀が残る
常磐線北小金駅の西側に広がる起伏に富んだ地形。
所々に残る緑地の一部が大谷口歴史公園です。
殿平賀天神山緑地脇を進むと、集合住宅に「小金城跡」が冠してありました。
この周辺は城跡なのでしょうか。

少し行くと、フェンスに囲まれた小金城達摩口跡に出ました。
案内板によれば小金城には4つの出入口があり、北東にあるのが達摩口。
東に大手口、北に金杉口、南には大谷口があります。
小金城は南北約600m・東西約800mに及ぶ県下最大級の中世城郭であったとされ、高低差約15mの複雑な地形を巧みに利用しています。

左回りで西に細い道を進みます。
300mほどで金杉口に当たる大谷口歴史公園に出ました。
うっそうとした木々が囲む階段を上ると、小鳥の声が聞こえてきます。
「大谷口城」城主は周辺広範囲を支配
公園内には土塁、畝堀などが復元され、小金城は別称「大谷口城」だと案内板にありました。

広場の石碑には、1962(昭和37)年の航空写真に小金城の縦横に巡らされた空堀の様子が重ねられています。

小金城は16世紀後半、高城氏が本拠地としていた城です。
戦国時代末には、現在の松戸、市川、船橋、鎌ヶ谷、沼南、柏、我孫子などを支配していました。
1590(天正18)年の豊臣秀吉による小田原攻めの際、北条方に加わったため、秀吉方の武将浅野長政の軍に攻められ落城しています。

大谷口歴史公園から遊歩道を進み、小金大谷口城跡(本城)を回ると城の広さがよく分かります。
小金城跡として残る緑地の木々にはイヌシデ、シラカシ、スギなどの札が下がっていました。

ごみ拾いなどで緑地を守るのは、森林インストラクターの藤田𣳾さん。

「5日に1度、続けています。子どもたちに森林の大切さを伝えたい」と話します。
活動は30年を超えているとのこと。
点在する緑地の歴史にも思いをはせると、城跡散歩は楽しいですね。(取材・執筆/江梨)
大谷口歴史公園
住所/千葉県松戸市大谷口