千葉市美術館の4階子どもアトリエでは、「つくりかけラボ」と題し、個性豊かなアーティストによる参加体験型のプロジェクトを定期的に実施。来場者が参加することで空間が変化し続けるユニークな取り組みです。

4月3日までは「岩沢兄弟」による展示が楽しめます!

(左)兄のひとしさんと弟のたかしさん。会場には工房も併設、運が良ければ二 人に会える
(左)兄のひとしさんと弟のたかしさん。会場には工房も併設、運が良ければ二人に会える

公開 2022/03/19(最終更新 2022/03/19)

編集部 モティ

編集部 モティ

編集/ライター。千葉市生まれ、千葉市在住。甘い物とパンと漫画が大好き。土偶を愛でてます。私生活では5歳違いの姉妹育児に奮闘中。★Twitter★ https://twitter.com/NHeRl8rwLT1PRLB

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モノと遊ぶ楽しさを見て触って体験

ポリバケツに座面を付けたイス、ヘルメットに電球を取り付けた照明…。
これらは、千葉市美術館で開催中の「つくりかけラボ06岩沢兄弟│キメラ遊物園」で見られる作品です。

 
「遊物園」は遊園地と動物園を掛け合 わせた造語
「遊物園」は遊園地と動物園を掛け合わせた造語
 

日常で使い慣れた「モノ」たちが合体し、新たな役割を担う姿に思わずハッとします。

愛嬌たっぷりにこちらを眺める無数の目玉シールは、来場者により貼られたもの。
会場内のガチャガチャで目玉シールを入手したら、作品に触れながら、好きな場所や物にペタリ。目玉が付くことで、モノに命が吹き込まれるよう。

目玉シールは2組入り。 1組はおうちで貼ろう
目玉シールは2組入り。1組はおうちで貼ろう

「モノと遊ぶ楽しさを体感するのに『目玉シール』は丁度いいんです。どこにどう貼るかを考えるうちに、モノをじっくり観察するようになります」と話すのは、「岩沢兄弟」の兄・ひとしさん。弟のたかしさんも「(目玉を付ける位置となる)モノの『正面』が人によって異なるのも面白い」とほほ笑みます。

モノから始まるコミュニケーション

「岩沢兄弟」は、千葉市出身で市内に拠点を置くクリエイターユニット。

兄のひとしさんは立体物や空間デザインなど、弟のたかしさんはwebや映像、音響、コンセプト設計などがそれぞれ得意分野。

「モノ・コト・ヒトのおもしろたのしい関係」をテーマに、オフィスや研究所、公共空間などのデザインを手掛け、その傍らで既製品を組み合わせた通称「キメラ家具」を数多く生み出しています。

会場奥の「野生遊物ゾーン」。千葉市動物公園提供の動物の鳴き声を、たかしさんがミックスしたBGMも必聴
会場奥の「野生遊物ゾーン」。千葉市動物公園提供の動物の鳴き声を、たかしさんがミックスしたBGMも必聴

空間デザインでは、コミュニケーションが自然と発生するような場づくりが求められることが多いとのこと。

実は社交的な性格ではないという岩沢兄弟だからこそ、誰でも居心地の良さを感じる場所をデザインの力で作り上げる。そこで重要な役割の一つとなるのが「モノ」だといいます。

「人が中心に作られるコミュニティーももちろんあると思いますが、僕たちは『モノ』があることで『コト』が発生して『ヒト』が集まり、関わることにこだわっています」と二人。

「キメラ遊物園」での体験は、そんな「モノ」を、いつもと違う視点から見るきっかけになるかもしれません。

キメラ遊物園の作品
フキダシを付けて遊んでも

つくりかけラボ06 岩沢兄弟│キメラ遊物園

会場/千葉市美術館 4階子どもアトリエ
  (千葉市中央区中央3-10-8)
日時/開催中~4月3日(日)
   午前10時~午後6時 ※金・土は午後8時まで
料金/無料
問い合わせ/043(221)2311 千葉市美術館
https://www.ccma-net.jp/exhibitions/lab/22-1-13-4-3/

岩沢兄弟HP
https://battanation.com/