お客さまと共に地域のストーリーをつくりたい!
佐賀県伊万里市のローカルスーパー「ファインズたけだ」の発信する動画が、各SNS上で話題沸騰中。その舞台裏に迫るべく、オンライン取材をしました。
公開 2022/03/23(最終更新 2022/03/22)

一度見聞きしたら、たけだのとりこに
コミカルなテンポで、店内放送の様子やお買い得情報を盛り込んだ動画は、最高で200万回の再生回数を記録したものもあり、同スーパーの魅力の一つとなっています。
インターネットを活用した広報の改善に着手したのは、お店のホームページやSNSが生かされていないことに気付いた4年前。もっともっと、みんなに注目してもらいたい。そう考えた社長の竹田智史さんはさらに2021年4月より、「日本一面白いスーパー」というキャッチコピーを掲げ、チャレンジに勢いをつけます。
強力な助っ人は、「あっちゃん」こと副社長。その持ち前の明るさとコメディアン顔負けのパフォーマンスで、数々の動画にメインキャストとして登場。動画の企画と撮影・編集は社長が担い、二人三脚で再生回数とフォロワー数を伸ばしてきました。

最初の起爆剤となったのは、社長の得意とするダンス動画。スーパーの社長がかっこいいダンスを踊るというその意外性もあり、再生回数76万回、Instagramのフォロワー数は400人から一気に5000人になったといいます。

そして週に3本を目標として生み出される動画の中でも、最近特に目を引くのは、副社長が担当するお総菜コーナーの店内パフォーマンス動画です。誰にもなじみのある曲の替え歌に乗せて流れるお買い得情報と、耳に残る副社長の元気な歌声が視聴者の心をつかみ、再生回数が上がるに連れて近隣のみならず遠くからもお客さんが訪れるほどの反響ぶりとなりました。

スーパーを舞台に生まれる地域交流
そんなファインズたけだですが、初期の頃は方向性に悩んだことも。SNSやお客さんの厳しくもリアルな反応を見ながら改善と工夫を重ね、現在のスタイルに落ち着いたといいます。話題性が高まるにつれて、スタッフ同士の会話が増えたり、お客さんから新しい企画のアイデアをもらったりと、いい相乗効果を感じていると竹田社長。「孫から噂を聞いた」などと店を訪れるお客さんもいるとのエピソードからも、「ローカルスーパー」という場所が人と人のコミュニケーションを促していることがうかがえます。

また、副社長に店内放送の極意も伺いました。「店内放送はまず、空気になじんでしまうとお客様に聞いてもらえないんです。だから私は、替え歌にアレンジするといった、いい意味での『違和感』を作ることを大切にしています。もちろん、冒頭のあいさつや商品名をきちんと伝えることは基本の型ですよ。型があっての違和感です」。
なるほど、時折ひらめきのようにも見える圧倒的なパフォーマンスはすべて、計算の上でのものだったんですね!
「ここは新鮮な商品はもちろん、安心を売る場所でもあります。そのためにも、私たちが店の顔としてインフルエンサーになり、お客さまと共に地域のストーリーをつくっていけたら」と、社長は笑顔で続けます。日々進化を求めるファインズたけだの熱い取り組みに、これからも大注目です。
