地域への関心や愛着を育むきっかけにつなげたいと制作された「船橋かるた」。
昔ながらのかるた遊びを通して、子どもたちに船橋の歴史や文化を伝える活動を取材しました。
公開 2022/03/30(最終更新 2022/03/23)

地元・船橋の魅力をかるたに詠み、発信
「アンデルセン・生まれたまちと・姉妹都市」。
温かく優しい色合いの絵札と、軽快で親しみやすい五・七・五のリズムで詠む「船橋かるた」が注目を集めています。
制作したのは「伝えよう船橋」の会の皆さん。

同会は、地域の歴史や文化を学ぶ「ふなばし市民大学マイスター学科」の第1期卒業生を中心に、2011(平成23)年に発足しました。
卒業制作として取り組んだかるた作品を活用し、市内の小学校や児童ホームで子どもたちに船橋の魅力を伝える活動を続けています。
かるたに詠まれるのは、市民大学の講義で学んだ船橋の歴史や文化財、自然、産業など身近な題材。
同会代表の鈴木久美子さんは、かるたの素材を集める中で、新しい発見と意外な苦労があったと明かします。
「例えばお寺は市の南西部に多く北部には少ないこと、また、特定の文字にばかり素材が集まり取捨選択に迫られるなど、船橋市全域からバランスよく『魅力』をまとめるのが大変でした」

かるた遊びを通して楽しく学ぶ機会を
1月中旬、船橋市薬円台公民館で開催された「船橋かるたで遊ぼう」。
ふなばしハッピーサタデー事業の一環として同会が主催したこのイベントには、小学生およそ15人が参加。
換気や消毒など感染症対策を取りながら、にぎやかなひとときを過ごしました。

畳の上にずらりと並ぶ絵札を前に、子どもたちは真剣なまなざし。
同会の岩谷さんの詠み上げる声を頼りに絵札を探します。
最初、遠慮がちだった子どもたちは、鈴木さんらの気さくな声掛けに次第に笑みがこぼれ、体を大きく動かして絵札を取ろうと互いに競い合いました。
会を立ち上げて11年目。
市内の小学校や公民館、地区社協などで子どもからお年寄りまでが楽しめる活動を進めてきました。
「子どもたちの笑顔や『かるたを作ってくれてありがとう』という感想をもらうとうれしいですね。会話のきっかけや、世代を超えた交流にもつながればと思います」。
今後の活動にも注目です。
ふなばし市民力発見サイト/http://funabashi-civilpowers.net/
※同会は「ふなばし市民力発見サイト」にも掲載しています