印西市を拠点に、民話や伝承を語る活動を続けてきた「素話ささのは会」が今年2月、千葉県知事から表彰されました。
会員は女性6人で、「ふるさとに伝わる民話を残すために頑張りたい」と意欲的です。
公開 2022/05/01(最終更新 2023/02/03)

ソバ
大手新聞社の記者を続け、定年延長も終わったので、地域の話題を取材したいと、地域新聞様にお世話になっています。明るく、楽しく、為になる話題を少しでも分りやすく紹介したいとネタ探しの日々です。子どもの頃から麺類が好きなのでペンネームにしました。
記事一覧へライトブルー賞受賞 女性6人グループ
受賞したのは、青少年の健全育成に取り組む個人、団体に贈られるライトブルー賞。
素話とは、絵や本を使わずに語り手の声だけで物語を表現する話法のこと。
同会の結成は2008(平成20)年7月。
現在、会員は60〜80代の女性6人。
印西市立中央公民館で開かれた、西嶋たか子さんの民話の講座を受けたメンバーが、「私たちも語りたい」と結成しました。

最初は苦労の連続 今は民話の創作も
民話は1話が5分から10分ほどですが、語る会では台本を見ないで暗記して語ります。
会員は皆初心者だったため、気持ちを込めてどのように盛り上げて話していくかなどを、西嶋さんが指導しました。
活動開始当初は、一つの話を4人で分担して語っていたといいます。
しかし、練習の成果もあり、今では1人で何十話も話せるように。
会員の逸見明子さんは「1段落ごとに声を出して覚える。そして次の段落を覚える。この繰り返しです」と話します。
小中学校や公民館などで語る会を開きますが、「一生懸命に話すと、聞き手も熱心に聞いてくれることがうれしい」と、会員の三山美幸さん。
また、民話創作も行っています。
代表の篠原年枝さんが作ったのは、平安時代末期の女武者で木曽義仲に仕えた巴御前を取り上げた「巴物語」。
逸見さんの作品は、「ばあばのさんまごはん」。
「孫のゆうしろうくんは、好き嫌いが多い。ばあばは、甘辛く煮付けたさんまを炊き立てのご飯に混ぜたさんまごはんを作ったが、やはりさんまをこっそりよけて食べている」
―それぞれが展開するストーリーは、聞く人の心を引き付けています。
月2回の練習 DVDも制作
「まだまだ未熟。1話でも2話でも、うまく話せるようにしたい」と、会員の加藤喜代子さんは話します。
毎月2回の中央公民館での活動では、1日に4時間を費やすほどに熱心な練習が行われています。
コロナ禍で活動が制限されてからは、6つの民話をDVD「印西の民話」としてまとめ、100本を市に寄贈しました。
篠原さんは「民話には語り継がれた歴史があり、心を和ませてくれます」と話します。
語り手の声に乗って、温かい郷土愛が広がっていきます。
※問い合わせ
電話/0476-42-3619 篠原