「バターは白っぽくなるまで混ぜてね」。

松戸市牧の原でケーキ店を営むパティシエの西村泰久さん(57)は、愛用の電動車いすに乗り、子どもたちにココアバターパウンドケーキの作り方を指導しました。

公開 2022/05/10(最終更新 2022/05/10)

ちいき新聞ライター

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お菓子教室で小学生に作り方を指導

3月下旬に松戸市民会館で開かれたお菓子教室「私もパティシエ?」で14人の小学生を前に実演しました。

子どもたちは食い入るように、その手元の動きを見つめます。

西村さんは筋力が徐々に低下していく難病「筋ジストロフィー」を抱えています。

パティスリーみつ葉とはーと オーナーパティシエ 西村泰久さん
西村さん

念願だった自身のケーキ店を開く

高校卒業後、都内の結婚式場に就職し、パティシエとして働き始めた西村さん。

ケーキの材料となる小麦粉などの持ち運びが思うようにできませんでした。

19歳の時に病院へ行くと、「筋ジストロフィー」と診断を受けました。

それでも仕事を続けてきましたが、42歳の時に歩行が困難となり退職。

電動車いすを使用することになりました。

初めは抵抗がありましたが、車いすに乗っている姿を見た小学生から「かっこいいね」と声をかけられ、自信が持てるように。

それからは積極的に人に会い、ボランティア活動などでお菓子を振る舞うことも。

2015年には念願だった自身の店を持ち、オープンするタイミングで結婚しました。

お菓子教室は、子どもたちに病気について理解してもらいたいと10年以上続けています。

教室では自身の病気についての話もします。

「自分でもお店を持つ夢をかなえたので、好きなことを諦めないでほしい」と語ります。

パティスリーみつ葉とはーと 西村さん
お菓子作りの様子を見守る
パティスリーみつ葉とはーと 西村さん
自身の病気について話す西村さん

ケーキ店の目標は10年続けること。

体調に気を付けながら奥さんと二人三脚でおいしいケーキとお菓子を作っています。(取材・執筆/あやめ)

※問い合わせ
TEL/047-710-7301
パティスリーみつ葉とはーと