小学校3、4年生の社会科で学ぶ「古い道具と昔のくらし」。
四街道市では、この学びをより深めるために実際の民具を使った出前授業を10年近く実践しています。
公開 2022/05/16(最終更新 2022/05/13)

実際に見て触って昔の暮らしを体験
四街道市歴史民俗資料室には、実際に使われていた昔の民具が数多く収蔵されています。
出前授業は、その民具を学校に運び、昔の暮らしぶりを伝えるものです。
希望のあった小学校の体育館に100点ほどの民具を搬入し、生活・農具・はかり・着物・養蚕・綿など6つのコーナーに分けて展示。
物を入れたしょいかごや薪を積んだしょいばしごを実際に背負う、てんびん棒で物を担ぐ、洗濯板とたらいを使って洗濯をする、薬研で薬草を粉にする…など今ではなかなかできない貴重な体験に子どもたちも大喜び。
各コーナーには1人ずつ説明者が付き、子どもたちは使い方を教えてもらいながら、自由に楽しみます。
文化財活用担当職員の塚本幸男さんは「着物にげたや足袋を履いて歩いたり、茶道に触れたりと、子どもたちにとっては、珍しいことばかり。たくさんの民具に出合い、目を輝かせながら体験する子どもたちの様子に、私たち大人も元気をもらい、この仕事に生きがいを感じます」と笑顔で語ります。
塚本さんは、文化財の活用について普段からアイデアを考え、実践を重ねているといいます。

市の伝統行事を伝える試みも
また、社会科の「のこしたいもの、伝えたいもの」という単元に合わせて、伝統芸能のおはやしや祭り、四街道の歴史などについても学ぶ機会を子どもたちに提供しています。
学校の要望に応えて日時を設定し、四街道市文化財ボランティアガイドの会の協力の下、塚本さんらが出向いて授業を実施。
毎回、たくさんの子どもたちが挙手をして質問をする活発な場面が展開されるといいます。
子どもたちの心を豊かに育む試みが、大人たちの努力によって継続されていることは素晴らしいことです。(取材・執筆/EKO)
問い合わせ/四街道市教育委員会 社会教育課文化係
TEL/043-424-8934
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