鎌ケ谷市内の道を元気に車椅子で移動している男性を幾度か見掛け、「頑張っているな」と元気をもらいました。
どんな日々を送っているのか、思い切って声を掛けてみました。
公開 2022/05/26(最終更新 2022/07/28)

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東京生まれ。月の出ている日は必ず見つけて写真に撮りブログにアップする月大好き人間です。果物を食べながら、「この果物はどうやって生まれてきたのかな?」とすぐ考えるタイプ。ちなみにプロフィール写真は、以前記事作成のために撮影した栗の赤ちゃんです。
記事一覧へ市内の事業所で野菜や菓子などを販売
力久さんが向かっていたのは、新鎌ヶ谷駅から車で10分の秋元病院の駐車場脇にある「あきもとふぁーまーず」。
喫茶、内職、販売、さらに近隣で農作業も行う、利用者20人の就労継続支援B型事業所です。
力久さんはそこで、病院の利用者や職員に菓子や古着類、仲間が畑で作った新鮮野菜などの販売をしています。
入居している障害者グループホームから柏駅に出て、東武野田線に乗って新鎌ヶ谷駅で下車。
駅からは車椅子だと30分ほどかかります。
病院のバスがあり利用もしますが、「バスを待つより車椅子で来る方が早い」と元気いっぱいに話す力久さんにとって、車椅子は大切な相棒のようです。
長い苦しみの後に穏やかな生活を得て
障害は足だけと思えた力久さんですが、聞けば熊本にいた15歳の時にうつ病で自殺を図り、高校に入学したものの中退。
大検を受け放送大学で勉強を始めましたが、事故で片足を失ったといいます。
叔父さんから「来ないか」と誘われ、生活を立て直そうと千葉県に来ました。
ですが簡単にはいかず、うつ病が悪化します。
入院した秋元病院で、ため込んできた思いや苦しみに共感し粘り強く寄り添ってくれる医師と出会えたことが人生の転機となりました。
退院後、柏のホームからここに通い働く今の生活を続け、8年になります。
「あきもとふぁーまーず」のスタッフの話では、「力久さんのようにさまざまな体験を乗り越えてきた利用者は多い。でも作業をしている間は外に目が向いて、自然に社会や仲間とのつながりが生まれてくる」といいます。
「苦しい時期が長かった。でも、『苦しみは一人で抱え込まずに、外に出す。誰かに話して受け止めてもらうのがいい』と、先生のおかげで気付けた。事業所やホームの仲間もいるし、もう大丈夫」と笑顔を見せる力久さん。
ホームの皆との食事に出してもらうという白菜が車椅子の背からのぞく力久さんの後ろ姿に、心がほっこり温かくなりました。