毎月第3土曜日に市原市の辰巳公民館で開催される「覚えてる会」。
認知症の人とその家族が集い、生活上の工夫や対処法などについて話し合っています。
公開 2022/06/13(最終更新 2024/02/29)

ねんじ
3人の男子の育児に奮闘中の母ちゃんライター。趣味は、寝ること、食べること、時々キャンプ。身近な地域でキラリと輝く人や物に目を向け、読んだ人が元気になれるような記事を書くことが目標です。
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4月16日、公民館の一室に次々と参加者が集まってきました。
もの忘れのある参加者同士が自己紹介をしながら最近の出来事を語り、和やかな雰囲気で共感したり励まし合ったりします。
別卓では介護者同士が施設の利用料金や食べ物への執着などの悩みについて相談し合い、看護師などの専門家から具体的なアドバイスをもらっていました。
この会を主宰するのは、言語聴覚士で学術博士の安田清さん。
千葉ろうさい病院のリハビリテーション科で認知症のリハビリに長く携わり、現在は医院で非常勤勤務をする他、工業大学の客員教授や医科大学大学院の特任講師を務めるなどさまざまな顔を持ちます。

会の後半は、安田さんが発明した認知症の人のための便利グッズをスライドで紹介。
腕時計タイプや首から下げるメモ帳などについては「認知症の人はメモ帳をうまく使えない、介護者は何度も同じことを聞かれると疲れてしまう。これらは忘れる前にすぐ書け、常に見られる」と説明しました。

これからの認知症の支援に必要なことは
認知症の人へのリハビリテーションや、ICレコーダーなどの外部機器や道具の活用の必要性について提唱する安田さん。
著書『MCI・認知症のリハビリテーション』を出版し、メモ帳やカレンダー、伝言板など、ユーモアたっぷりのアイデアで便利な道具を開発しています。
「今までの認知症の人の支援は、本人の気持ちを尊重し否定しないなどといった、介護者が認知症とその対応方法について理解することの重要性が語られることが多かった。これからは、認知症の人が困っている課題を解決していくためのツールが必要」と安田さん。
安田さんはテレビ電話を使った交流会や介護者居酒屋など、さまざまな取り組みを行っています。
名刺入れを改造して作ったスマートメモ帳は、「完成まで15年かかった。一緒に作って普及してくれる人がいれば」と語ります。

車椅子や補聴器を使うように、認知症の人もさまざまな道具を活用し、安心して住み慣れた地域で生活することができる―安田さんの活動にそんな未来の可能性を感じました。
日時/毎月第3土曜日午前10時~正午
当日の午後1時30分~午後3時に、カフェ・もの忘れ、カフェ・スマホ/パソコン等相談会も実施
場所/市原市辰巳公民館
住所/千葉県市原市辰巳台西3-14-1
料金/1回100円(年会費1,200円)
問い合わせ
TEL/0436-74-3384
メール/yasukiyo.12@outlook.jp
安田