茨城県守谷市を拠点に活動するボランティアグループ「GHO(ゴミ拾いオジサン)」。
つくばエクスプレス守谷駅周辺や取手市などで、ゴミ拾いと地域交流の活動「ゴミニケーション」を定期的に実施しています。
ゴミニケーションに参加し、活動を始めたきっかけや、ボランティア活動への思いを取材してきました!
公開 2022/06/14(最終更新 2024/01/04)

小原らいむ
柏生まれ柏育ちのライターです。自分を育ててくれた千葉県の魅力を発信していきたいという思いで日々取材・執筆しています。愛犬の黒柴と楽しめる千葉のスポットも探索中!ブログ「LIMEGREEN(ライムグリーン)」★Instagram★@ohalimegreen
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ゴミ拾い×地域交流「ゴミニケーション」って?

「ゴミニケーション」は、ボランティアグループGHOが主催する、ゴミ拾いと地域交流の活動です。2021年から、つくばエクスプレス守谷駅周辺でのゴミ拾いを中心に、取手市などでも定期的にゴミ拾いを行っています。

GHOの代表を務めるのは、茨城県在住の岡見学さんです。岡見さんは、千葉・茨城・東京などで活躍するハードコアバンドTHORNのボーカリスト“ジャイアンさん”でもあり、バンド活動の傍らボランティアを行っています。
グループ名のGHOは、ゴミ拾いオジサン(Gomi Hiroi Ojisan)のこと。岡見さんが自身をゴミ拾いオジサンと称し、活動を始めたのがそもそもの始まりだそう。岡見さんの活動に賛同したメンバーが集い、現在はグループとして活動しています。
2022年からは、餅つき大会や、岡見さんの畑で育てたじゃがいもを調理してふるまうイベントなど、地域の親子に向けた食育プロジェクトも開始しました。
ゴミ拾いを通じて地域交流のきっかけが作れたら
バンドマンがゴミ拾い!?と、その意外性に驚いた方も多いかもしれません。GHOの立役者である岡見さんに、ボランティア活動への思いをお聞きしました。
――岡見さんがゴミ拾いを始めたきっかけは?
岡見さん:僕のバンドが所属するレーベルの社長の影響で、ボランティア活動に興味を抱きました。社長は、東日本大震災の被災地にいち早く駆け付け、支援活動を行ってきた人です。支援活動に協力させてもらいながら、自分でも何かしたいと思うように。
社長のような知名度のない僕には何ができるのだろう…とずっと考えていたんです。でも、何から始めたらいいのか分からず、10年くらいずっと葛藤し続けてきました。考えた結果、ゴミ拾いなど簡単な活動なら自分にもできるのではないかと、一人で近所のゴミ拾いを始めました。
――お一人でのゴミ拾いが、どうやって今のゴミニケーションにつながったのですか?
岡見さん:ゴミ拾いを始めた当初は「友達に見られたらどうしよう」など、少し怖いような恥ずかしいような気持ちもありました。その気持ちをごまかすために、面白おかしく「ゴミ拾いオジサンです!」とSNSで宣伝し始めて。
SNSを見た友達が面白がってくれ、一緒にやろうと言ってくれたことがきっかけで、グループとして活動するようになりました。2021年10月くらいからインターネット上でも開催告知をし始めて、徐々に参加してくれる方が増えてきています。
――“コミュニケーション”と“ゴミ”をかけた活動名ですが、どんな思いが込められていますか?
岡見さん:社会貢献活動を通じて、人と人とのつながりや交流が生まれたらいいなと思っているんです。ゴミを拾いながら、参加者同士で会話をしたり、すれ違う地域の人とあいさつをしたり。
ゴミ拾いとはあまり縁が無さそうなバンドマンでも気軽に参加できるような、良い意味で敷居の低い活動を目指しています。僕みたいに、何かしたくても一歩踏み出す勇気が出ない人は多いと思います。そうした人たちの最初の一歩をお手伝いできたらうれしいですね。
TX守谷駅周辺で実施! 「ゴミニケーション」に参加してみた
月1回のペースで定期的に実施されている、つくばエクスプレス守谷駅周辺でのゴミニケーション。2022年5月のゴミニケーションを取材させていただきました。
集合場所は、守谷駅の改札を出て階段を降りたところにある西口駅前広場のあたり。
集合時間になると、続々と集まってくる参加者たち。久しぶりのメンバーや常連メンバーもいるようで、待ち合わせの時点からすごく楽しそう!
参加者がそろったら、さっそくゴミ拾いを始めます。コースはその時々によって変えているそうで、守谷駅の周辺を1時間ほどかけて回ります。
ゴミを拾いながら、仕事や趣味の話で盛り上がる皆さん。和気あいあいとした雰囲気の中、街をきれいにしていきます。
取材のために初めて参加した筆者は、もちろん知り合いは一人もいません。ですが、皆さん気さくでお話好きな方ばかり! 気まずさはなく、とっても楽しい時間を過ごせました。
可燃ごみ、不燃ごみ、缶、ペットボトル、瓶など、それぞれゴミ袋の担当を決め、「こっちで缶を拾ったよ~」などと声をかけあい、協力してゴミを拾っていきます。
きれいに見える街でも、目を凝らすといろいろなゴミが落ちていることがわかります。
GHOの皆さんによれば、特にゴミを捨てられやすい場所があるのだとか。ベンチなど座って休憩できるスペースや、自販機の周り、コインパーキング周辺には特にポイ捨てが多いのだそうです。
約1時間の活動で、これだけのゴミを拾えました! きれいなイメージのある守谷駅周辺ですが、意外にも多くのゴミが落ちているのですね。
拾ったゴミは、岡見さんが持ち帰り、処分してくださるそうです。
ゴミ拾いは人のためにするもの。だからこそ想像力が養われる!
ゴミニケーション終了後、岡見さんに、ボランティア活動に興味がある人へのメッセージをいただきました。
「ゴミ拾いは、誰でも手軽に始められるものです。でも、とことん利他的な行為だからこそ、他人のために何ができるかを考えるきっかけがたくさんあって、想像力が育つ活動だと思っています。今の世の中が殺伐としているのは、想像力が乏しい人が増えているからかもしれません。ゴミ拾いから、人を思いやれる気持ちが生まれたらいいなと思っています。
活動を続けることは、ポイ捨ての抑止力にもなるはず。友人にゴミ拾いをしている人がいたら、ポイ捨てを思いとどまってくれると思うんですよ。そうやってゴミが減っていったらいいなと思っています。一人でゴミ拾いをするのが難しかったら、いつでも来てください!」(岡見さん)
ゴミニケーションへの参加方法
現在、守谷駅周辺でのゴミニケーションは、月1回のペースで日曜日の午前中に実施中。他、不定期で取手市やその他の地域でも開催することがあります。いずれも日程が決まり次第、GHOのホームページやInstagramで告知されますよ。
ゴミニケーションに参加するにあたって、事前連絡や予約をする必要はなく、飛び入り参加も大歓迎とのこと! もちろん、事前にSNSなどで連絡の上、参加してもいいそうです。
清掃用トングやゴミ袋など、ゴミ拾いに必要な道具はGHOが用意してくれているので、手ぶらで参加可能。手元が気になる人は、手袋や軍手を持参しましょう。
2022年6月18日(土)には、JR取手駅近くのメキシコ料理店「モッシュアンドタコス」付近で、じゃがいもをふるまう「ポテトパーティー」を開催予定。イベント終了後の17時~近隣のゴミ拾い活動を行うそうですよ!
ゴミニケーション開催概要
日時/日曜日10:00~(9:50分集合、約1時間)
集合場所/つくばエクスプレス守谷駅西口
ボランティアグループGHO(ゴミ拾いオジサン)
電話番号/090-6522-4565
メール/ss_okami@yahoo.co.jp
HP /https://kosmile.wixsite.com/53gho
Instagram/@53gho
GHO代表岡見さんのTwitter/https://twitter.com/keepon_ditc