終活にまつわる出費も、ある程度想定しておけば不安を減らせます。

そこで葬儀やお墓の費用の相場や、判断能力を失った場合に財産の管理はどうすればいいか…などについて調べました。

公開 2022/06/22(最終更新 2024/03/16)

編集部

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千葉・埼玉県在住の編集メンバーが、地域に密着して取材・執筆・編集しています。明日が楽しくなる“千葉・茨城情報”をお届けします!!

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【葬儀】

教えてくれたのは…

大谷昭彦さん

昭和興業株式会社 大谷昭彦さん
1級葬祭ディレクター。
営業部の責任者として、終活イベントや葬儀保険相談会で登壇の機会が増加中。

安値に飛びつく前に!葬儀は事前相談会を活用して総額の確認を

葬儀費用の目安は、儀式なしの直葬で8~20万円、通夜を省く一日葬で28~40万円、4、5人規模の家族葬で一日葬+5万円、10人以上の一般葬で40~60万円が相場です。

参加者が多いと費用もかさむと思われがちですが、香典で相殺されるので、負担の差は意外に大きくありません。

ネットなどで見かける極端に安いプランは最安値のものを表示していることが多く、希望するサービスを足していくと総額が膨らむ可能性も。

実際に施設へ足を運び、事前相談会などで総額を確認した方が安心です。

会員制度(互助会など)のある施設なら、入会により葬儀代が最大4割程度もお得になることも。

積立、一括払いなど種類もあるので、事前の備えとして検討してみては。

【終活にかかる費用】相場や目安は?財産の管理について専門家が解説

【墓】

価格帯に幅がある一般墓。平均購入価格はいくら?

お墓の価格とは、墓石の費用に永代使用料(墓所の土地を使用する権利)を加えたもの。

墓石の値段は(1)墓所の大きさ(2)石の種類や材質(3)和型か洋型か(4)細工の有無などに左右されます。

一種のオーダーメイド製品なので、個々のケースでさまざまな加算が発生する可能性も。

そこで混乱を避けるため、あえて表記を明確にしていないことがあります。

「お墓の消費者全国実態調査」(2022年)によると、一般墓の平均購入価格は158.7万円。

この他、納骨や埋葬にかかる費用もあり、安い買い物ではありません。

そこで近年では、一般墓に比べて比較的負担の少ない永代供養墓、樹木墓や納骨堂といった新しいタイプのお墓を利用する人が増えています。

参考/「いいお墓」
https://www.eohaka.com/

【終活にかかる費用】相場や目安は?財産の管理について専門家が解説

【家族信託】

教えてくれたのは…

オフィスなかいえ代表 中家好洋さん

相続と終活の相談室 オフィスなかいえ代表 中家好洋さん
行政書士、家族信託専門士などの資格を持ち、終活に造詣が深い。

もしもの時に財産が使えなくなることも
家族信託について知っておきましょう

名義人が死亡または認知症を発症した際、金融機関は不正利用を防ぐために口座を凍結してしまいます。

「せっかくためた老後資金をいざというときに使えない」という事態にならないよう、元気なうちに対策を。

方法の一つが家族信託。

これは、本人に代わって家族が財産を管理・処分できるというもの。

認知症などで本人が判断能力を失った場合でも、家族が不動産の売却や預貯金の解約などに柔軟に対応できます。

早いうちから家族に財産をつまびらかにすることで、無用なトラブルの防止にも。

ただし、認知症の診断が下ると手続きが難しくなるので注意。

平均的な健康寿命(男性72歳、女性75歳)を越える前、配偶者が亡くなった時などを目安に早めに準備を始めましょう。

【終活にかかる費用】相場や目安は?財産の管理について専門家が解説