親世代はもちろん、自分たちにとっても老後の住まいの心配は尽きないもの。 

施設の種類やお金のことなどきちんと事前に計画して、最良の選択を。最期まで自分らしく過ごしましょう。

老後の住まいはどうする? 施設の選び方からお金のことまで解説

教えてくれたのは…
【施設編】
地域新聞社「ちいかい」相談員 猪爪晃
【お金編】
イオン保険サービス 浦口さん

 

公開 2022/06/22(最終更新 2024/03/16)

編集部

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千葉・埼玉県在住の編集メンバーが、地域に密着して取材・執筆・編集しています。明日が楽しくなる“千葉・茨城情報”をお届けします!!

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【施設編】施設選びの決め手は相性

老後の住まいというと多くの人が「高齢者向け施設」を思い浮かべるのではないでしょうか。とはいえ、目的や費用によって種類はさまざま。

主な高齢者向け施設

【公】特別養護老人ホーム(特養)原則65歳以上で要介護3~5が入居条件。緊急度や介護度の高い人が優先的に入所で
きる。
【民】介護付き有料老人ホーム看護・介護スタッフが常駐。介護保険を利用した介護サービスが24時間受けられる。
【民】住宅型有料老人ホーム常駐スタッフによる安否確認と生活相談が受けられる。自分で外部の介護サービスを利用する。
【民】サービス付き高齢者向け住宅常駐スタッフによる安否確認と生活相談が受けられる。自宅のように自由に過ごせるのが
メリット。
【民】グループホーム認知症高齢者のための9人1グループの共同生活施設。原則、入居は市区町村住民のみ。

※【公】…公的施設【民】…民間施設

公的な施設は介護度などによる入居条件があるため、希望者全てが対象になるわけではありません。費用面での負担が軽いのが最大のメリットですが、その分需要も多いため入居待ちが発生することもあります。

一方で、民間の施設は、公的施設に比べて入居条件が比較的緩やかです。例えば「介護付き有料老人ホーム」の中には、元気なうちに入居できる施設も。
公的施設と比べれば費用は上がりますが、手頃な施設から高級志向の施設まで多種多様。いったん入居すれば、生涯を終えるまで暮らせる場合がほとんどです。

施設を検討する際は、希望条件から考えるとスムーズ。民間施設は、食事に力を入れていたり、レクが充実していたりと個性豊か。
その中で、自分と相性の良い施設を選ぶことが大切です。
入居してからミスマッチに気付き、転居となると、入居時に支払った一時金がムダになってしまうことも。大切な老後資金を守るためにも慎重に選びましょう。

本人・家族が希望するなら在宅介護も

住み慣れた自宅で一生を終えたい、という人も多いでしょう。在宅介護の場合は、ケアマネジャーが作成したプランに基づき、介護サービスなどを利用します。

ただし、本人を含む家族が介護で苦しむようなら、施設入居の検討を。

【お金編】施設の利用料は年金受給額が目安

施設で生活する際にかかる「月額利用料」には、介護費用、食費、居室費、生活費などが含まれます

一般的に民間の施設では、入居時に支払う「一時金」が別途必要。さらに、月額利用料に食費や介護費が含まれていない施設もあるので、パンフレットをしっかり確認しましょう。

有料老人ホームの費用の一例
月額利用料は公的年金で賄うのが理想ですが、現実には貯金を切り崩して補填するケースが多いようです。

そういった意味でも、自立した生活をできるだけ長く送ることが備えの第一歩。
長く働けば働くほど、収入が得られる上、年金の受給額もアップします。リハビリや生活習慣の見直しなど、介護度の進行を遅らせるための対応も可能です。

施設費用をはじめ、老後のお金は子育てがひと段落して考え始める人が多いもの。
ですが、準備不足で子世代に負担をかけないためにも、できれば40代から意識できるといいですね。