お墓選びはまだまだ先…と思っていませんか?
元気なうちに自分が入るお墓を自分で選ぶことで、さまざまなメリットがあります。
教えてくれたのは…
福田和子さん
公開 2022/06/23(最終更新 2022/06/22)

自分の好みでじっくり選べる他、節税にも!
生前墓とは、生きているうちに建てるお墓のことです。
立地や広さ、墓石の種類やデザインなど、お墓を選ぶ際には考えることが多いもの。
自身の判断能力があるうちに行動することで、もしもの時の遺族の負担を軽減できるのが何よりのメリットです。
また、「お墓」という一つの大きな買い物を早いうちに済ませれば、老後資金のやりくりの見通しを立てやすくなります。
残ったお金で余生をどう過ごすか、夫婦で話し合う機会にも。
お墓を購入すると年間で管理費は発生しますが、車のように税金や保険などといった高額な維持費はかかりません。
さらに多くの霊園ではお墓を建てたタイミングで葬儀や供養についても案内するため、葬儀代などの目安も把握できます。
加えて、墓地や墓石は祭祀財産に含まれ、課税対象にはならないのもポイント。
生きているうちにお墓を建てて現金を減らせば、相続税の対策になります。
ただし、お墓を購入するためにローンを組み、死亡時に残金がある場合は課税対象となるので注意が必要です。
【生前墓のメリット】
□老後資金のやりくりがしやすくなる
□葬儀や供養についてのイメージが湧く
□節税対策にも
墓石の価格はどのくらい?
石の種類や加工で変わる
墓石は、石の種類や産地、供給量、加工内容などで価格が変わります。
石の中でも高価なのは、トン当たりの単価が高い重い石、加工に時間がかかる硬い石、文字がきれいに彫刻できる目の細かい石、採掘の希少な石など。
選ぶときには石の色味や模様を重視する人が多いのですが、中には生まれ故郷など縁のある土地で採れた石を選ぶ人も。
曲線的なものやモダンなものなど、墓石のデザインのバリエーションも増えています。
家名や名前以外にも自身のメッセージや絵柄が彫刻できる場合もあるため、予算内で自分らしいお墓を建てたいという人こそ、生前墓を検討しては。

墓石以外にかかる費用は?
お墓を持つ際にかかる費用は、墓地の使用料と墓石の代金、そして管理費。
「お墓を買う」といっても実際に購入するのは墓石のみ。
墓地は所有者から借りることになり、その場所を使う権利として「永代使用料」を支払います。
管理費は、墓地の管理者に年間で支払う費用。
最近は一括で支払える霊園も増えてきました。例えば初めに30年分をまとめて払うことで、将来消費税が上がっても影響を受けない、振込手数料が節約できる、遺族の手間を省けるなどの利点があります。
管理費は墓地の広さによりますが、年間2,000円~1万円程度が相場です。
生前墓を建てるなら…
流れから霊園の選び方まで
お墓を選ぶ上で重要なのが立地です。お墓は他の買い物と違い、「買ったら終わり」ではありません。
家族がお参りをしやすい場所にあるかを重視しましょう。
エリアが決まったら資料を請求。必ず現地に足を運び、ロケーションや雰囲気、スタッフの対応などに違和感がないかチェックを。
線香のサービスや清掃用具の貸し出しといったフォロー内容も確認しておくと安心です。
なお、市営の墓地は費用が抑えられる半面、生前墓を受け付けていないところが多いので注意を。
