比較的求めやすく、管理も楽な永代供養付きのお墓が人気です。
そのメリット・デメリットなどについて伺いました。
公開 2022/06/24(最終更新 2022/06/24)

永代供養墓とは本来合祀墓のみを指す
「永代供養墓」とは厳密には、最初から他の人の遺骨と一緒に埋葬する「合祀」を行う墓(=合祀墓)のこと。
一方、永代供養墓と呼ばれることの多い樹木墓や納骨堂などは、実際は個別に埋葬・保管をし、期限が来たら合祀をする「永代供養付き個別墓」であることが多いようです。
いずれもお墓の継承者がいなくても供養してもらえるため、単身者や子どものいない夫婦で購入する人が増えています。
樹木墓地

1999年に日本初の樹木墓地ができて以来、年々需要が高まり、第13回 お墓の消費者全国実態調査(2022年)では、購入者の41.5%を占めトップに。
本来は墓石の代わりに樹木を墓碑とするもので、広い山林で1本の木の下に1人ずつ埋葬する形でしたが、土地不足の都心部では1本のシンボルツリーの周りに多数の遺骨を埋葬するものをよく見かけます。
中には樹木すらない場合もあるので、現地でよく確認しましょう。

納骨堂

天候に関わりなく快適にお参りできる納骨堂。
ただ、屋内施設なので生もののお供えや、ろうそく・線香などの火気厳禁の場合も。
また建物なので、将来の劣化に伴い、建て替えなどが発生することもあります。
ロッカータイプと機械式がありますが、特に後者は大規模改修時に多額の費用がかかる場合があります。
将来的に修繕費の負担が発生するのか、購入時にぜひご確認ください。
価格は条件によって十数万~百万円以上と幅があります。
スペースの広さはもちろん、マンション同様、上段の方が高価なのが一般的です。
墓石のないお墓のメリット3つ
永代供養付きのお墓は納骨堂の他、共同のモニュメント(仏像や樹木や石碑など)の周囲に埋葬するスタイルが多く、一般墓のように各家ごとの墓石がありません。
そのことで以下のようなメリットがあります。
1.墓石代が不要
お墓に必要な費用は(1)永代使用料(2)管理費(3)墓石代ですが、最も負担が重いのが(3)。
それが不要もしくは少ない費用(※)で済みます。
※遺骨の埋葬場所の目印となるよう小さなプレートなどを埋め込む場合。使用する石が少なくて済む
2.管理が不要
墓石自体や周辺の清掃、雑草に悩まされる必要がありません。
3.遺骨の管理が不要
都心部の一般墓は納骨スペースが狭く、いずれ入りきらなくなる可能性も。
その段階で合祀をするとなると、新たな費用が発生します。
永代供養付きのお墓のデメリット
このようなメリットから広く受け入れられている永代供養付きのお墓ですが、欠点もあります。
まず、合祀された後では個人を特定してのお墓参りができないこと。
将来お骨を別の墓に移そうと思っても、他の方のお骨と混ざってしまっているので、返還してもらえません。
また、樹木墓や納骨堂などは1区画が狭いものも多く、混み合うお彼岸などは、お参りのために順番待ちが必要になることもあります。
没後、誰に供養してもらうのかも考慮に
墓石のない永代供養付きのお墓の価格は、区画の広さや墓地内での場所、墓地自体の立地などが影響します。
一番安価な合祀墓では10万円を切るものも存在します。
しかし、価格ばかりに目を向けると落とし穴が。
民間施設の場合、倒産すれば管理者不在となり墓が放置されるリスクもあるので施設選びは慎重に。
また、施設以上に重要なのは供養をしてくれる宗教者です。
永代にわたって供養をしてもらうのですから、ついのすみかを選ぶように慎重に、信用のおける宗教者を探してください。