試行錯誤しながらボッチャボールを製作する千葉市在住の東海林さん。
ボールに込められた熱い思いを聞きました。

公開 2022/06/28(最終更新 2023/03/29)

ねんじ
3人の男子の育児に奮闘中の母ちゃんライター。趣味は、寝ること、食べること、時々キャンプ。身近な地域でキラリと輝く人や物に目を向け、読んだ人が元気になれるような記事を書くことが目標です。
記事一覧へより良いボールにするために日々研究
誰もが楽しめるスポーツとして人気のボッチャ。
一方でボールが1セット数万円からと高価なため、気軽な購入が難しいことに課題を感じたのが、東海林明さんがボールを作ろうと思ったきっかけ。
ボールを手作りする人が増えればもっとボッチャが普及すると考えましたが、インターネットなどに本格的なボール製作の情報はなく、2019年9月ごろから手探りでボール作りを開始。
ボールに使用する革は、安価な合成皮革では厚さの調整が難しく、手のなじみも少し劣るため、牛や馬、羊、鹿などさまざまな天然皮革を試しました。
ボールの中に入れるものは、経費なども考慮していろいろ試した結果、もち米が適していることを発見。
縫い合わせる糸の太さや縫い方にもこだわりました。

1個のボール製作にかかる期間は約3日。
1セット(13個)が完成するまで約1カ月半かかります。
1個だけ購入した市販のボールを握ったり眺めたりしながら、経費を抑えつつ、より市販のものに近づける方法を、いつも考えているといいます。
「もっと丸く。真っすぐ進むように。ボールが時間の経過とともにどう変化するかも見守っていきたい」。
東海林さんの挑戦は続きます。

心を込めたボールはみんなの元へ
ボールの製作を通して誰かの役に立ちたいと思っていた東海林さん。
2021年11月ごろから、2年間の試行錯誤を重ねて作り上げたボッチャボール20セットを、希望があった千葉市内の福祉施設などへ寄贈。
「自分が作ったボールを障害のある方が持ち、目を輝かせているのを見た時は本当にうれしかった」と語ります。
一つ一つのボールはどれも違った味わいと特徴があり、まるでわが子のようだといいます。
現在は次の10セット完成を目標にボールの製作に専念し、欲しい人へ新たに寄贈することを目指します。
「同じ思いの人同士で交流しながら製作活動が広がれば」と語る東海林さん。
ボッチャボールの製作過程を記録したブログは、東海林さんの試行錯誤の軌跡とボールへの熱い思いにあふれています。
※問い合わせ
メール/danjuro@tbz.t-com.ne.jp
東海林
ブログ「ボッチャボール自作教室」
HP/http://bocciakira.blog.fc2.com/