おそろいの緑のジャンパーに身を包み、夏見緑地で活動する「船橋花いっぱいの会」。
珍しい山野草や30万本ものヒガンバナなど、訪れる人を楽しませています。

公開 2022/07/14(最終更新 2022/07/15)

「癒やしの場へ」との思いを込めて
夏見緑地(船橋市夏見台4丁目)に魅了され、日々の散歩コースにしている人も多いようです。
「新潟から船橋に越してきて、故郷の山はもう見られないと諦めていました。でも、こちらに来たら故郷の森とそっくり。雨の日でも毎日来るのが楽しみ」
近所に住む人の声です。
花好きの人たちがボランティアとして集まり、1986年4月に発足した「船橋花いっぱいの会」。
元々は海老川や中津川の環境を改善しようと桜3千本を植樹したのが始まりです。
国の「緑綬褒章」も受けました。
その後、夏見緑地の管理を船橋市から委託され、現在に至ります。

当時はうっそうとした薄暗い山でした。
草や低木などを整理し、今では安心して散歩できる明るい森となっています。
入り口の花壇には色とりどりの季節の花。
その奥に、野生種の60種以上の山野草が育つ「慰楽の森」が続きます。
名付け親は樹木医や自然観察指導員として活動する川井さん。
訪れた人に楽しんでもらえるよう、清掃だけでなく、珍しい山野草を植えたり、草花の生育環境をコントロールしたりしています。
圧巻の30万本ものヒガンバナ
夏に向けてはヤマユリが楽しめます。

元々、3本だけ自生していたものがこぼれ種で繁殖し、今では大小70本ほどになりました。
ヤマユリには一切、手を加えません。
整備して明るくなった森で自然と開花しています。
その他、「ジュウニヒトエ」「ヤマブキソウ」「ミカエリソウ」や「ヒトリシズカ」「ヤブレガサ」、絶滅危惧種の「マヤラン」「キンラン」など、珍しい山野草も多く存在しています。

一番の見どころは秋に咲く30万本ものヒガンバナです。

初めはヒガンバナが咲いている家を一軒ずつ回って球根を譲り受けていましたが、今では毎年数千球もの寄付があり、県外からの見学者も増えました。
「市内にこんな森があるとは思わなかった」「すてきな環境ですね」。
ボランティアをしていると、そんな言葉を聞くことも多いといいます。

草花の成長だけでなく、人々の笑顔が「船橋花いっぱいの会」に活力を与えています。
(取材・執筆/ゆき)
※問い合わせ
電話番号/047-422-3758
船橋花いっぱいの会事務局 角井