コアジサシはチドリ目カモメ科の渡り鳥で、日本にはオーストラリアなどから4月ごろに飛来。
砂浜海岸や河川敷などの砂れき地で集団繁殖し、秋口に帰る夏鳥です。
(写真提供:箕輪義隆氏)

公開 2022/07/29(最終更新 2022/07/27)

ボノ
横浜から千葉に移り、ちいき新聞でライターを始めました。取材は歴史物・行政関係が多め。今は卓球を週に7回、ジムで泳いだり、ピアノ教室&弾き語りのライブをやったりと、とても充実した毎日を楽しく過ごしています!
記事一覧へ世界的に減少が心配されるコアジサシ
かつて千葉県でも、東京湾沿岸や各地の河口でその姿をよく見られていたコアジサシ。
しかし造成工事や草地化による繁殖に適した場所の減少などの影響で、その数は近年になり急激に減ってしまいました。
現在、種の保存法で国際希少野生動植物種に指定、環境省のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に位置付けされている貴重な鳥です。
千葉市は政令指定都市移行を記念して、1993(平成5)年に「コアジサシ」を市のシンボルとして市の鳥に制定しています。
自然のままに、保護観察中
検見川の浜では2003(平成15)年に初めてコアジサシの営巣が確認されました。
以降、市は4月になると、検見川の浜において、おおむね90m ×70mの範囲で砂浜から草を刈り、立ち入り禁止のロープ柵を巡らし、営巣しやすくするなどして繁殖地を保護しています。
なお13(平成25)年からは、市民と共同で保護活動に取り組んでいます。
たくさんのかわいい姿が見られるように
2018(平成30)年は、営巣確認はされませんでしたが、2020年には399もの営巣が確認され、そのうち、二十数羽の巣立ちも確認されました。
しかし、昨年は16の営巣を確認したものの、残念ながら巣立ちには至らなかったそうです。
コアジサシは体長25cmほどで、白い体で頭に黒い帽子を被ったようなかわいらしい姿をしています。

「キリッ、キリッ」と鳴き、狩りの名手で空から停空飛翔をするなどして狙いを定め、水中ダイビングで10cm以下の魚を捕食します。
和名は生態を表す「小鯵刺」。
市では、もし検見川の浜で見かけたら、驚かせないように遠くで見守ってほしいとお願いしています。

かつては全国に2万羽以上もいたというコアジサシ、また多くが見られるような環境を作り上げたいものです。
7~8月には旅立つ前に船橋三番瀬に各地から大集合するのが通例との情報もあります。
※問い合わせ
TEL/043-245-5195
千葉市環境保全課
★市内のコアジサシの営巣・繁殖状況は千葉市環境保全課HPで確認を