自然災害によって家財が被害を受けた時、火災保険申請を自分で行い、スムーズに給付金を受け取るにはどうすればよいのでしょうか?
申請の流れや必要書類、写真の撮り方のコツなどを、火災保険のプロに聞きました。
教えてくれたのは…
損害保険ジャパン株式会社 首都圏火災新種保険金サービス部
千葉火災新種保険金サービス課 松田 宜泰さん
損害保険ジャパン株式会社
千葉西支店 柏支社 小原 壮太さん
公開 2022/08/24(最終更新 2022/09/06)

火災保険の種類を確認し、補償内容の見直しを
火災保険は、ベーシックな「住宅火災保険」と、さまざまなリスクを総合的に補償する「住宅総合保険」に大きく分かれます。
住宅火災保険の補償範囲は火災、落雷、ガス爆発などの破裂・爆発、風災・ひょう災・雪災による損害で、洪水・土砂崩れなどの水災は含まれません。
一方、住宅総合保険の補償内容は、保険会社や選択している特約などによって異なります。また、地震による被害は対象外なので、地震に備えるには地震保険への加入が必要です。
火災保険の種類と主な補償範囲
※1 20万円以下の損害は対象外の場合もあります
※2 支払限度額がある場合もあります
「いざ申請しようとしたら補償の対象外だった」ということのないよう、保険証券を見て契約内容をよく確認しておきましょう。
例えば、家の近くに大きな川がないからと水災補償の特約を付けていないケースは多いと思いますが、大雨による土砂崩れなども水災に含まれます。
近年自然災害の発生状況も変化しているので、今想定されるリスクをカバーできているか、定期的に見直しをすると安心です。
火災保険申請の流れと注意点 写真の撮り方のコツは?
一般的な火災保険申請の流れは次の通りです。
(1)被害箇所の写真撮影
(2)保険会社へ連絡
(3)修理業者へ連絡・見積もり依頼
(4)書類の作成・送付
以前は必要書類のやり取りを郵送で行っていましたが、災害後に電話が集中するのを防ぎ、スピード感を持って手続きを進めるため、今はウェブサイト上やメールなどでも申請できる場合がほとんどです。
万が一の時、どこにどんな方法で連絡すればよいのか、各保険会社のホームページなどで確認しておきましょう。
申請に必要なものは、被害箇所の写真と修理の見積書です。
内装の損害が出た時は、間取りが分かる図面もあると査定がよりスムーズになります。
写真は、被害箇所に接近し過ぎずに、全体像が分かるように撮ってください。損害状況が分かるポイントを押さえてもらえれば、何十枚も撮る必要はありません。建物の外観は、真正面からではなく、斜め45°ぐらいから撮ると奥行きが伝わります。屋根など撮影が困難な箇所は無理をせず、少し離れた場所から撮るだけでも十分です。
修理の見積書は、単価や数量などの内訳が分からないと確認に時間がかかってしまいます。「一式」という記載の多い簡易的な見積書には注意してください。見積書には内訳を詳しく記載してもらうよう、あらかじめ業者にお願いしておくとよいでしょう。
書類などに不備がなければ、およそ1週間から10日ほどで保険金をお支払いできます。
火災保険申請はけっして難しいことではありません。もし分からないことがあれば遠慮なく保険会社にお問い合わせください。