訪れた国や地域90以上、海外への旅は213回。
旅行作家の秋山秀一さんが、自身で撮影した写真とともに、世界の街を歩いた思い出をつづります。

公開 2022/08/27(最終更新 2023/03/09)

歴史あるシルクロードの主要都市
ブハラはサマルカンドとともにシルクロードの拠点として栄えたオアシス都市。
ザラフシャン川下流にある。

中心部にある丸屋根のあるバザール「タキ」は、どこもにぎわっている。

中央アジアの乾燥した大地にあって、ブハラは水の豊かな街だ。
ハウズと呼ばれる池の中で最も有名なラビハウズ、その周辺の木陰のチャイハナ(喫茶店)は市民の憩いの場になっている。
ラビハウズの東に隣接する公園に、左手を上げ、ユーモラスな表情でロバにまたがる男の銅像がある。
モデルはブハラの人気者、イスラム神学者フッジャ・ナスレッディンだ。

中央アジアのイスラム文化香る建造物

公園の東側に、ナディール・ディヴァンベギ・メドレセがある。
メドレセとは神学校のこと。正面の壁に絵タイルで描かれているのは、爪でしっかり白い鹿をつかんだまま太陽に向かって飛ぶ2羽の鳳凰。
壁画中央にある太陽には顔が描かれている。

偶像崇拝を否定するイスラム教の教義に反するこの建物、実は当初キャラバンサライ(昔の商人宿)として計画されていたが、建築後にメドレセに変更されたものだ。

市内のどこからでも見える大きな尖塔はブハラのシンボル、カラーン・ミナレット。
巨大な煙突のようなこのミナレットは1127年建造。
高さ約46m、市内で最も高い建物である。(文・写真/秋山秀一)

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