訪れた国や地域90以上、海外への旅は213回。

旅行作家の秋山秀一さんが、自身で撮影した写真とともに、世界の街を歩いた思い出をつづります。

秋山秀一さん

秋山秀一さん
旅行作家、元東京成徳大学教授、NHK文化センター講師。日本旅行作家協会顧問理事、日本エッセイスト・クラブ理事、日本外国特派員協会会員。ちばぎん総合研究所発行『マネジメントスクエア』の連載「旅の達人が見た 世界観光事情」他、多数の旅行エッセーを執筆。鎌ケ谷市在住。鎌ケ谷市国際交流協会(KIFA)会長、鎌ケ谷市都市計画審議会会長。
タキ・ザルガロン
大通りの交差点にあるタキ。タキとは「丸屋根」という意味

公開 2022/08/27(最終更新 2023/03/09)

編集部

編集部

千葉・埼玉県在住の編集メンバーが、地域に密着して取材・執筆・編集しています。明日が楽しくなる“千葉・茨城情報”をお届けします!!

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歴史あるシルクロードの主要都市

ブハラはサマルカンドとともにシルクロードの拠点として栄えたオアシス都市。

ザラフシャン川下流にある。

ブハラの市街地図
街で見かけたブハラの市街地図

中心部にある丸屋根のあるバザール「タキ」は、どこもにぎわっている。

バザール
伝統的なデザインのさまざまな布が店に並ぶ

中央アジアの乾燥した大地にあって、ブハラは水の豊かな街だ。

ハウズと呼ばれる池の中で最も有名なラビハウズ、その周辺の木陰のチャイハナ(喫茶店)は市民の憩いの場になっている。

ラビハウズの周りのチャイハナ
オアシスの池、旧市街のラビハウズの周りのチャイハナは大人気
ラビハウズの周辺の木陰のチャイハナ
チャイハナで憩う市民
チャイハナ
チャイハナでお茶を飲みながら…

ラビハウズの東に隣接する公園に、左手を上げ、ユーモラスな表情でロバにまたがる男の銅像がある。

モデルはブハラの人気者、イスラム神学者フッジャ・ナスレッディンだ。

フッジャ・ナスレッディンの銅像
フッジャ・ナスレッディンの銅像は子どもたちに人気

中央アジアのイスラム文化香る建造物

ブハラ
町中の道路の行き先表示

公園の東側に、ナディール・ディヴァンベギ・メドレセがある。

メドレセとは神学校のこと。正面の壁に絵タイルで描かれているのは、爪でしっかり白い鹿をつかんだまま太陽に向かって飛ぶ2羽の鳳凰。

壁画中央にある太陽には顔が描かれている。

ナディール・ディバンベギ・メドレセ
ナディール・ディバンベギ・メドレセ

偶像崇拝を否定するイスラム教の教義に反するこの建物、実は当初キャラバンサライ(昔の商人宿)として計画されていたが、建築後にメドレセに変更されたものだ。

カラーン・ミナレット
カラーン・ミナレット。カラーンは、タジク語で「大きい」という意味

市内のどこからでも見える大きな尖塔はブハラのシンボル、カラーン・ミナレット。

巨大な煙突のようなこのミナレットは1127年建造。

高さ約46m、市内で最も高い建物である。(文・写真/秋山秀一)

カラーン・ミナレットとカラーン・モスク
カラーン・ミナレットとカラーン・モスク