「人と人をつなぐ」をテーマに、2022年「むねあかどり」を立ち上げ、さまざまなイベントを企画する松本直子さん。
地域に恩返しを、と行動する思いについて聞きました。

公開 2022/09/17(最終更新 2022/10/31)

子育てをシェアし皆で笑顔になろう
8月、船橋市習志野台。
一緒に子育てを語ろうと、ママたちのお話会「むねあかの会」が開催されました。
「子どもとの関わり、親としての立ち位置についてさまざまな思いに共感し、受け入れて、それでいいんだよと伝え合う優しい場でした」と主催者の直子さん。
参加者がマナーとルールを守り、信頼して何でも話せる場を今後も大切に運営していきたいと思いを語りました。

支えられた経験を支える原動力にして
直子さんが「地域への恩返し」とするこの活動の原動力は、アメリカで子育てをした経験にあります。
20代で結婚、アリゾナの大学院へ進学した夫と共に渡米。
「英語も分からず知り合いもいない中で長男を出産。精神的につらい時、周囲の日本人グループが交代で食事を届けてくれたり、近所に住む元看護師の女性が支えてくれました」と振り返ります。
約5年間、現地で母親のように慕ったその女性は、松本さんが帰国する際「自分にお礼はいらないから、将来日本の誰かのために何かしなさい」と語り掛けました。
その言葉に背中を押され、思い描く地域活動のアイデアを実現するべく奔走しています。

多世代が交流できるコミュニティーづくり
医療現場で働きながら大学の通信講座で勉強し、社会福祉主事任用資格を取得した直子さん。
その背景には、実母を在宅で看取った経験がありました。
末期の病と診断された母のために、家族は在宅医療の道を選びます。
在宅緩和ケア職員による心のこもった介護支援に深く感銘を受けた直子さんは、仕事の傍ら、ボランティアとして高齢者施設や緩和ケア施設に赴くように。
現場に身を置くことで人生観を見つめ直し、今後取り組む活動の方向性が見えたと言います。
「子育て世代も高齢者も皆が集う居場所を地域に作りたい。不登校や認知症、性の多様性など、理解を深める座談会や講演会も企画したい」と目を輝かせます。
浅草出身の直子さん。
互いに声をかけ合う温かい地域文化の中で育った原点も糧に、世代を超えた豊かな関係構築の青写真を描き、実現に向けて邁進しています。
インスタグラム/@muneakadori