ひとり語りの第一人者・熊澤南水さんの舞台が柏市の長全寺本堂で開催されます。
演目は山本周五郎の「糸車」。
名手の語りを静かな空間で堪能できます。
公開 2022/09/23(最終更新 2022/09/16)

声による芸術 ひとり語り
本を手に持ち、作者の意図をそのまま伝えるのが朗読です。
それに対し、語りは物語の内容を暗記して、その話の情景と共に、語り手自身の感情も含めます。
いわば声による芸術といえます。
南水さんは40歳の時、樋口一葉の作品の文体と言葉の響きの美しさに感動し、一念発起して、日本語の美しさを伝える語りの勉強を始めました。
40歳という遅い出発ながら、メキメキと技術と表現力を磨き、北海道から沖縄まで全国を公演して回っています。
間の取り方、奇麗な言葉の組み立てなどが絶品だと高く評価され、2016(平成28)年に文化庁の「芸術祭大衆芸能部門・優秀賞」を受賞しました。
80歳になった今でも変わりないキリッと背筋の伸びた着物姿と張りのある声は、聴く人に元気を与えています。
また、舞台の照明や装置なども雰囲気を作り出し、南水さんによる声の芸術を引き立たせています。

祈りの場で届ける深く温かい心
2010年、全国の100カ所の祈りの場(寺・神社・教会)を会場に、癒やしを届ける「ひとり語り」をやろうと決意。
それが「百寺語り巡礼」です。
今回の長全寺での公演は、84カ所目になります。
柏市での公演に協力する「流山ひろがる和」は、「私たちの日本の文化や豊かな心を広げる活動と根は同じですので、南水さんの百寺語り巡礼の願いがかなうことは、私たちの願いでもあります」と話します。(取材・執筆/敏恵)
日時/10月1日(土)午後1時~午後3時
場所/長全寺
住所/千葉県柏市6-1-9
料金/1,000円
問い合わせ/
080-3152-1500 澁谷
080-5869-5758 金山