JR佐倉駅北口に程近い高崎川南公園に、今年で100歳を迎える蒸気機関車58683号(通称ハチロク)が静態保存されています。
地域住民と共にこのSLを守り続けようという、温かなプロジェクトをご紹介します。
公開 2022/10/14(最終更新 2022/11/18)

ハチロクが投影する「鉄道の街」佐倉

同ハチロクは1922(大正11)年10月に製造され、最後は佐倉機関区に配属、69(昭和44)年に引退しました。
一時期は千葉県内で唯一の機関区でもあった佐倉機関区の跡地は現在駐車場となっており、その面影もありません。
このハチロクは、佐倉がかつて「鉄道の街」であったことを示す、数少ない産業遺産の一つなのです。
長きにわたり「佐倉市蒸気機関車保存会」の皆さんがSLを管理していますが、今年になって「せっかくだから100歳を祝いたい」という市民の声も浮上。
地域住民を楽しく巻き込んでハチロクの100歳を祝うとともに、維持管理や地域活性化につなげたいという有志メンバーで今年「SL100周年実行委員会」を立ち上げました。
佐倉市の後援を受け、保存会・町内会・商店会と共に活動を進めています。
さび付いた車体塗装 参加者の笑顔も輝く
現役を退いてから53年。
SLを子どもたちに触れてもらい、さびた車体から活躍の歴史を感じ取ってほしいとの思いから、9月17日には同公園で子どもたちによるハチロクのペイントが行われました。

修復に関わることで住民の関心を高め合うことも期待されます。
この日までに実行委員会では、よりよい保存方法を模索しながら大人の塗装イベントを開催するなど、少しずつ車体を塗り進めてきました。
参加の子どもたちはグループに分かれ、30分交代で担当箇所を黒く塗っていきます。
屋根付きのフェンスに囲われ、砂利と短い線路が敷かれた保存場所。
けがに気を付けながら、子どもたちは思い思いにはけを動かします。
モクモクと煙を出して走行した姿を想像しているのか、「また、走ってほしいね!」などと言葉を交わすひとコマが印象的です。

西田市長も駆け付け、一緒にペイント作業。
市長の元気な笑い声もイベントを温めました。
屋根付きという保存状態から、稼働する可能性も現在調査中とのこと。
このたび美しく塗り替えられたハチロク。
100歳のお祝いは、たくさんの夢を乗せてまだまだ続きます。
佐倉のSLを見に行こう!
~汽笛復活! 佐倉ハチロク製造100年記念~
日時/10月23日(日)記念式典:午前10時~ SL開放:午前11時~
場所/高崎川南公園
住所/佐倉市表町2丁目4-3-18
内容/汽笛の吹鳴式や機関士の制服で記念撮影の他、真っ黒な石炭アイスの販売など
詳細はFBページで確認を
Facebook/https://www.facebook.com/sakura58683/
※雨天開催・荒天中止
※駐車場無し、公共交通機関をご利用ください
主催/佐倉市蒸気機関車保存会・SL100周年実行委員会
後援/佐倉市