2008年から始まった(公社)佐倉青年会議所の手筒花火パフォーマンス。
耳が溶けそうなほど間近で噴き上げる火柱に臆せず、中腰で手筒をしっかりと構える勇壮なシルエットが印象的です。

公開 2022/10/25(最終更新 2022/10/24)

30秒間の花火燃焼につなぐOBの思い
コロナ禍前は佐倉市民花火大会のオープニングを飾るほどに、そのインパクトは絶大。
火薬を仕込んだ手筒から垂直に上がる火柱、揚げ手に降り注ぐ火の粉、そして「跳ね粉」と呼ばれる火薬に火が入ると、豪快な炸裂音とともに手にした筒が跳ね、足元に瞬間的に広がる炎が一番の見どころです。

「市民が佐倉市に魅力を感じここに住み続けていくことに貢献したい」と日々活動中の佐倉青年会議所。
佐倉のさらなる魅力を共有できる大きなチャンスと、3年越しの計画を実らせて2008年、同花火大会での手筒花火披露に至りました。
年度をまたいで事業を成し遂げることは難しいといわれる組織特性の中、14年間一丸となって歴代メンバー(OB)の思いをつないでいます。
命を守る講習会と魂を込めた花火製作
「火薬」という危険物を扱う上で、メンバーは毎年「煙火手帳取得講習」を受講し手筒花火の仕組みや安全な持ち方などをしっかりと学びます。
講習の有効期限は1年間。
炎に慣れてしまうと思わぬ事故につながりかねないため、毎年この講習を受講することで気持ちを引き締めています。

また、静岡県の三ケ日町まで花火製作にも向かいます。
「三ケ日町手筒保存会」の指導を受け、メンバーそれぞれが製作するのですが、これがまた難しいのだとか。
紙筒にござを2重巻きにしてから、さらに縄を巻き締め、完成した手筒に同保存会が2kg弱ある火薬を詰め、当日佐倉へ運び込まれ本番に望みます。
無病息災を祈りつつ今年も会場分散型
リハーサルは入念に繰り返します。
水をかぶって本番に挑むも、風向きで刺し子の隙間から入ってくる火花に怯みそうになる。
筒を持つ手は決して離さないという一心で30秒間、精悍な表情で夜空を見据えます。
そして最後の爆音は揚げ手にとっても緊張の一瞬。
毎回充足感に満ちあふれるので「来年もやろう」と思えると、藤井理事長は力強く話します。
詳細は、問い合わせを。
佐倉青年会議所
HP/http://www.sakurajc.or.jp/
※過去の花火動画もこちらで見られます