「障がい者への偏見や差別をなくしたい。そのためにはまず自分たちが地域を支える存在になる」その信念の下、はちみつでは地域に根差した活動に取り組んでいます。

公開 2022/11/24(最終更新 2022/11/22)

ちいき新聞ライター

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地域に密着してフリーペーパー「ちいき新聞」紙面の記事を取材・執筆しています。

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地域の一員として共に支え合う

八千代市の福祉施設で働いていた金室さんは、四街道市内に知的障がいのある人たちの居場所が少ないことを知り、2016年4月に前身であるNPO法人生活介護「はちみつ」(以下はちみつ)を四街道市亀崎で開所しました。

開所後、亀崎の過疎化・高齢化の現状を目の当たりにし、亀崎を支える一員になりたいと考えていた金室さんと職員は四街道市無形文化財である亀崎囃子への参加や公共の施設などでのボランティア活動を始めます。

その中には亀崎で古くから作られている亀崎箒の制作も。

亀崎箒の材料と完成形
亀崎箒の材料と完成形

亀崎箒は単に竹を束ねるのではなく、竹が折り重なるように組んで作られています。

竹を伐採したのち直火で油抜きをしてから組む手法はとても難しく、今では作り手は3人のみ。

イベントでは即日完売する逸品です。

「柄は女性でも握りやすいように細く。亀崎の方々はジェントルマンなんですよ」と代表の金室さんは箒と亀崎の魅力を教えてくれました。

地域のみんなと豊かな時間を

社会福祉法人よつかいどう福祉会

はちみつには重度の知的障がいがある人が多く在籍しています。

だからこそ、はちみつの由来ともなった「『は』たらくを『ち』いきの『み』んなと『つ』くる」を大切にしています。生き生きと、また個々の強みを生かして支え合うこと、「側楽(はたらく・周囲の人を支えること)」を実践するため木工や織物制作でも作業を細分化し、協働作業で制作。織物の指導には市民がボランティアとして携わっており、ここでも地域との深いつながりが生まれています。

地域の人に協力してもらい織物製作も
地域の人に協力してもらい織物製作も

木工活動を続ける中でもさまざまな出会いがあり、現在は千葉県とのコラボ事業として県内の木を用いた積み木制作にも乗り出しました。

現在制作中の積み木

「人に恵まれ、ここまでやってこられました。地元の皆さんのご協力なしには今のはちみつはありません」と金室さんは人懐っこい笑顔で感謝の言葉を述べます。

はちみつの魅力が広まり、開所当時は5人ほどだった利用者も現在では32人まで増えました。

またこの9月には亀崎から引っ越し、たかおの杜にて社会福祉法人としての歩みを始めました。

はちみつは新しい地でも「側楽」ことの幸せをかみしめています。(取材・執筆/さがえ)

社会福祉法人よつかいどう福祉会生活介護 はちみつ
住所/千葉県四街道市たかおの杜15-5
問い合わせ
TEL/043-312-0183
HP/https://www.hachimitu83.com

ちばユニバーサル農業フェスタ2022in四街道にも出店
日時/11月26日(土)午前10時~午後2時
会場/四街道市文化センター広場および展示ホール
住所/千葉県四街道市大日396