国が推し進めるSSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)に認定されている千葉県立長生高等学校。
企業とのコラボを通して、コロナ禍の時代のお掃除を科学的なアプローチで根底から再定義中!

公開 2022/12/23(最終更新 2022/12/22)

新時代のお掃除をサイエンスしよう!
高校は広い地域から人が集まる場所。
それだけに、感染リスクの高さが気になります。
そこで学校の衛生環境の向上と、感染症に強い学校づくりを目指し、生徒によるプロジェクトがスタートしました。
それが「お掃除プロジェクト」。
衛生用品メーカーの花王株式会社と共に、一年がかりで新時代の清掃マニュアルを作成するというものです。
参加したのは長生高校サイエンス部の生物班・化学班・その他有志の皆さんで、1年生から3年生までの合計43人。
計画段階から実践段階へと、クリアすべきミッションは全部で9あります。
(1)今までの清掃の改善点を探ろう!!(大掃除の後、校内を撮影)
(2)「感染症」とは何か学ぼう!!(専門家の講演を聞く)
(3)「キレイ」+「清潔」にする方法を考えよう!!(メンバーで話し合い)
(4)分類して対策しよう!!(清潔にすべき場所の分類)
(5)目に見えない「汚れ」を可視化しよう!!(校内でカビ・細菌・唾液などのサンプル採取)
(6)効果のある清掃方法にしよう!!((5)の結果と専門家の意見を参考に検討)
(7)考案した清掃を実践!
(8)清掃の効果を可視化しよう!
(9)方法を改善、マニュアルを作ろう!
プロジェクトは2022年4月からスタートしました。

「従来の清掃のような見た目だけのきれいさだけでなく、目に見えないものをターゲットにしました。そのため汚れの箇所を徹底的に調査・分類・分析し、その対策をみんなで考えました」。
そう語るのは2年生の片桐右京くん。
「カビ・細菌・唾液などをモニタリング(採取)するために企業が用意してくれた検査キットが届いた時は、まるで刑事ドラマのアイテムみたいでエキサイトしました」
生徒たちは「汚れ」を分類・サンプリング・数値化・可視化し、より効果のある清掃方法を提案。
高校生ながらまるで大学院、あるいはあたかも実際の企業での実務のような体験を積みました。
「新しい時代のお掃除マニュアルが完成し、日本や世界に広まったらうれしい」。
メンバーは完成に向けて胸をときめかせています。
この体験を将来のキャリアへ、未来へ
今回のプロジェクト参加を今後どう役立てますか?と尋ねると、1年生の松﨑美優さんは、「私は研究職を目指しています。普段の授業では聞けない花王の職員の方の科学に対する態度や姿勢に、多くの刺激を受けました」とのこと。
片桐くんは「学年を超えたチームの中で、一つの問いに対し、実に多様な答えやアイデアがあるのだなと実感しました。将来は教師となり、こんな学びを実践したい」と夢を語ってくれました。
たくさんの未来への種が今、芽を出そうとしているようです。