ポップでキュートな美少女イラストで有名な江口寿史さん。
マルチな才能で活躍してきた江口さんの創作活動の軌跡をたどる企画展「江口寿史イラストレーション展 彼女 ―世界の誰にも描けない君の絵を描いているー」が、千葉県立美術館で開催中です。
公開 2022/12/11(最終更新 2022/12/08)

編集部 R
「ちいき新聞」編集部所属の編集。人生の大部分は千葉県在住(時々関西)。おとなしく穏やかに見られがちだが、プロ野球シーズンは黄色、Bリーグ開催中は赤に身を包み、一年中何かしらと戦い続けている。
記事一覧へ各世代のファンに異なる存在感を放つ
江口寿史さんと聞けば、若い世代はCDジャケットや雑誌の表紙、商業広告のイラストを思い浮かべるかもしれません。
一方、かつて若者だった中高年の中には、漫画『すすめ!!パイレーツ』や『ストップ!!ひばりくん!』が楽しみで、毎週月曜日に週刊少年ジャンプを買いに走った日々を思い出す人もいるでしょう。
そんな幅広いファン層を反映し、会場には連日多くの人が足を運んでいます。
巧みな筆致で描く誰かにとっての「彼女」
「彼女」をテーマに据えた企画展は2018年春、金沢21世紀美術館で初開催。
以後、新作を加えながらこれまで国内7カ所を巡回、この秋待望の千葉県開催が実現しました。
「女に生まれなかった悔しさが、絵の原動力になっている。」(展示パネルより)と語る江口さんは女性たち…恋人であり妻であり母であり…あらゆる「彼女」たちに愛を込め、繊細に大胆に、しなやかにリアルな女性像を45年間にわたり描き続けてきました。

作品点数約500点は圧巻。
展示は6つの章に分かれ、漫画家時代の作品の原画から、イラストの仕事へ軸足を移していく過程の表紙画、近年の仕事までを網羅しています。

ファッションや音楽などの流行を取り入れた「彼女」たちは、半世紀弱にわたる現代日本の風俗の移り変わりを映す鏡にもなっています。

千葉会場ならではのパイレーツコーナー

熊本県生まれの江口さんは、中3の時に千葉県野田市に転居、県立柏高校卒業。
千葉県は多感な10代を過ごしたゆかりの地です。
出世作の『すすめ!!パイレーツ』は、流山を本拠地とするプロ野球チームを描き、江口さんの自虐的千葉愛がさく裂する痛快作。
そこで本展ではパイレーツコーナーを特設、女性を描いた扉絵の原画などを展示しています。
千葉県会場ならではの展示をお見逃しなく!
会期/2023年1月15日(日)まで
開館時間/午前9時~午後4時30分
(入場は午後4時まで)
会場/千葉県立美術館
(千葉市中央区中央港1-10-1)
休館日/月曜(月曜が祝・休日の場合は開館し翌日休館)、年末年始(12月28日~1月4日)
入場料/一般500円、高・大生250円、中学生以下・65歳以上・障害者手帳保持者と介護者1人は無料
※入場制限を行う場合あり
問い合わせ/TEL 043(242)8311 千葉県立美術館