訪れた国や地域90以上、海外への旅は214回。
旅行作家の秋山秀一さんが、自身で撮影した写真とともに、世界の街を歩いた思い出をつづります。

公開 2022/12/24(最終更新 2023/03/09)

石を積んで作られた世界的な都市遺跡
日本人にとって、「行ってみたい世界遺産」ランキングで必ず上位に名を連ねるマチュピチュ遺跡。
遺跡内へ入り、全景が眺められる場所まで坂道を上っていく。
途中、リャマのお出迎えを受けた。
遺跡全体を覆っていた霧が晴れ、写真で何度も見てきたあのマチュピチュの全貌を初めて見た時の感動は、忘れられない。

この面積5km2ほどの都市遺跡の東西は断崖絶壁。
600mほど下をウルバンバ川が大きく蛇行して流れている。

遺跡の南東側の急斜面には段々畑が作られている。
中央の広場から見ると、左側に神殿などの神聖な場所があり、広場の右側が一般の居住区になっている。

道も、塀も、建物も、段々畑の境の石垣も、全て石を積み上げて造られたものだ。

インカの民が神とつながる場所で
中央部尾根の高台にあるインティワタナは、「太陽をつなぐもの」といった意味を持つ、この遺跡の居住区の中で一番高い所。
太陽に一番近い神聖な場所なのだ。

そこにある高さ1.8mほどの石は礼拝石であり、日時計の役割も果たしている。
高さ2mほどの山のような形の礼拝石もある。

コンドルの神殿は、地面に置かれた平らな石の先がコンドルのくちばし、背後に立つ2つの岩を翼に見立てている。

インカ帝国では、コンドルは太陽神の使者とされていた。(文・写真/秋山秀一)
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