食材の鮮度と産地にこだわり、見栄えも楽しめる野菜たっぷりの日替わりランチ、素朴でやさしい手作りスイーツが人気のカフェシンシア。
船橋市出身の音楽家や芸術家の活躍を後押しするイベントも精力的に開催中。
店主とスタッフのまごころを感じる、居心地のよいお店をご紹介します。
※記事中の価格は全て税込み
公開 2022/12/17(最終更新 2024/02/29)

「薬園台駅」から徒歩5分 緑あふれる、ゆったり開放的なカフェ
新京成線「薬園台駅」から5分ほど歩いて到着した「カフェシンシア」。

ハーブや低木、つる植物が元気に茂るエントランスと大きな窓が印象的な外観です。
取材に訪れたのは11月末、華やかなクリスマスリースが出迎えてくれました。

約15坪の店内には、カウンター席とソファ席も合わせると30席ほどがゆったりと配置されています。
「にぎやかに会話を弾ませるお客さまも、おひとりで読書を楽しむお客さまも、みなさまが時を忘れてほっとできる、居心地のいいひと時を過ごせるお店を目指しています」と、店主の橋本英世さん・富士子さんご夫妻。
時計やカレンダーの類は置かず、日常から離れる心地よさをさりげなく演出。
また、店内外にグリーンを豊かに配置し、壁には珪藻土、床には板材など天然のものを多く使うことで落ち着いた雰囲気をつくり上げています。
提供するメニューは無添加を貫きます。
「親がわが子に食べさせたいと思うような、安心安全で心のこもったお料理やスイーツをお出ししています」と富士子さん。
ブラジル料理やタイ料理も登場 彩り豊かなランチプレートとスイーツメニュー
根強い人気の日替わりランチからご紹介していきましょう。

こちらは、ブラジル風の魚介シチュー「ムケッカ」。
「これ、おいしかったよね」と、厨房スタッフと話しながら声を弾ませる富士子さん。
あまり聞きなじみのないお料理ですが、白身魚とえびのトマトシチュー、おいしいに違いありません!
くり返しランチメニューに登場するとのことなので、インスタグラムの告知をチェックしてみてくださいね。

タイ料理「カオマンガイ」。
鶏スープで炊いたごはんに、ゆで鶏を組み合わせ、特製のタレといただくヘルシーなメニューです。

テイクアウトもできます。
写真のビーフシチューは日替わりランチ、ドライカレーは定番ランチメニュー。
「事前にお電話でご予約いただけると、お待たせすることなくお渡しできると思います」とのこと。
ランチに提供されるごはんは、香取市の契約農家から買い付けたコシヒカリを毎日精米し、お鍋で炊いているそうです。
ふっくら、つやつやのコシヒカリ。
「お客さまから『ここのごはんはおいしい』というお声をいただくのが、とってもうれしいです」と富士子さん。
自家製パンランチの日もあり、焼き立てパンが店頭に並ぶこともあるそう。

厳選した食材にしかるべき手間をかけて仕上げる料理やスイーツの数々。
メニューはスタッフ全員で話し合って決定するといいます。
橋本さんご夫妻が厚い信頼を寄せるスタッフのみなさん。
「もとはお客さまだったり、お互いの子どもたちが幼稚園に通っていたころからのお付き合いだったり。『カフェシンシアのものは良いよね』との思いを共有し、みなさん長く働いてくださっています」
カフェの細部まで満たすあたたかな雰囲気は、スタッフの信念と誇り、愛着と意欲を背景に成り立っているのだと感じました。
船橋市出身の音楽家らを招きイベント ご縁がつなぐ交流と共振の場
東日本大震災後、「人が集い情報交換をし、安心感を得られる場を作りたい」との思いに駆られ、橋本さんご夫妻はカフェ事業に着手。
おいしい食事とくつろぎの空間を提供するだけでなく、地元・船橋の地域活性も視野に入れたさまざまな企画を展開しています。
開店当初から続けている、主に祝祭日を利用して開催する音楽イベントには船橋市出身の若手音楽家らを招き、毎回好評を博しています。
11月下旬には、初の試みとして「おはなし会」を企画、認知症サポーター養成講座が開かれました。
「千人の音楽祭が象徴するように、音楽のまち・船橋という概念が定着しつつある中で成長する若手音楽家たちを応援していきたい」と英世さん。
ゲストスピーカーを招いてのおはなし会は定員を上回る申し込みがあり、今後も継続して開催していきたいと話します。
「またひとつ新しい世界が広がっていると感じています」と笑顔を見せる富士子さん。
南仏をイメージして仕上げたという内装に、不思議に溶け込み、光を放つ日本画。
船橋市出身の日本画家・泉東臣(はるおみ)さんの作品が飾られています。
粛然たるたたずまいで壁を彩る日本画は、目にする者の心をとらえます。
2年に一度、展示作品を入れ替えているそうです。

お皿やカップなどの器は、陶芸家・鈴木健祭さんが手がけたもの。
英世さんのご友人から紹介を受けたという鈴木さん。
「『器は、使われてこそ価値のあるもの』という考え方をお持ちで、私たちのリクエストに応えて器を焼いてくださっています」と富士子さんはうれしそうに話します。
例えばアイスコーヒーのための器は、氷の直径を測り、ぴったり入れられるサイズに作られているそう。
料理やドリンクとともに器を愛で、味わう楽しみも加わりますね。

入り口近くのコーナーでは、鈴木健祭さんによる一点ものの器を購入することができます。
取材当日はシフォンケーキやマフィン、瓶詰めのコンフィチュール、スイートポテトも並んでいました。
添加物や保存料を使用せず、店内で焼き上げるシフォンケーキはスタッフのイチオシ。
季節のフルーツを砂糖と煮詰めて作るコンフィチュールも人気商品で、まとめて購入するお客さまもいるとか。
コーヒーは、注文を受けてから豆をひき、丁寧に手いれするのがカフェシンシアのこだわり。
スイーツに添えるミントや料理に用いるハーブ類は自分たちで栽培しており、安全でフレッシュなものを使用しているといいます。
店名の「シンシア」は「誠実」の意味。
今年、2022年の10月で10周年を迎えたカフェシンシアは「地域のみなさんのために」との思いを軸に、これからも人と人のつながりを重んじ、出会いと交流をなごやかに楽しむ場であり続けます。
※記事中の価格は2022年11月取材時のもの
カフェシンシア
住所/千葉県船橋市薬円台6-6-6
営業時間/11時~17時
※ランチ/11時30分~15時(土曜・祝日11時30分~15時30分)
定休日/日曜
駐車場/あり
電話番号/047-497-8400
HP/https://cafe-sincere.com/
インスタグラム/@cafesincere