訪れた国や地域90以上、海外への旅は215回。

旅行作家の秋山秀一さんが、自身で撮影した写真とともに、世界の街を歩いた思い出をつづります。

秋山秀一さん

秋山秀一さん
旅行作家、元東京成徳大学教授、NHK文化センター講師。日本旅行作家協会顧問理事、日本エッセイスト・クラブ理事、日本外国特派員協会会員。ちばぎん総合研究所発行『マネジメントスクエア』の連載「旅の達人が見た 世界観光事情」他、多数の旅行エッセーを執筆。鎌ケ谷市在住。鎌ケ谷市国際交流協会(KIFA)会長、鎌ケ谷市都市計画審議会会長。

 

トレド
タホ川の対岸、南側からトレド旧市街の町並みを眺める

公開 2023/01/28(最終更新 2023/03/09)

編集部

編集部

千葉・埼玉県在住の編集メンバーが、地域に密着して取材・執筆・編集しています。明日が楽しくなる“千葉・茨城情報”をお届けします!!

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カテドラルを目印に歩くかつての首都

トレド
トレド旧市街の案内標識 これを頼りに街歩き楽しむ

スペインの古都、トレド。

旧市街の中心に位置するカテドラルは、スペインにあるカトリック教会の総本山。

トレド
カテドラル

トレドの町歩きに地図はいらない。

おおよその位置関係を頭に入れておけば十分だ。

道に迷ったと思っても、気にすることはない。

路地を歩いていると、パッとカテドラルが現れ、目印になる。

トレド
旧市街の路地から見えたカテドラルの塔
トレド
迷路のような旧市街の路地を歩く

16世紀半ばに首都がマドリードに移るまで、トレドはこの国の首都だった。

首都がマドリードへ移ってから十数年たった頃、画家エル・グレコがこの町にやって来た。

絵画の中に描かれた中世の町並みを堪能

トレド
エル・グレコの家

「エル・グレコの家」の名で親しまれているエル・グレコ美術館2階奥の部屋に、彼が描いた1枚のトレドの絵が展示されている。

描かれているのは、北の方向から見た16世紀当時の町の風景。

中央にカテドラルの塔。

その右手にアルカサス(中世の古城)。

絵の左端中ほどに、タホ川に架かるアルカンタラ橋が描かれている。

現在タホ川の左岸、南側にある展望所に立つと、この絵とは反対側から見た旧市街の風景を眺めることができる。

トレド
アルカンタラ橋からの眺めを楽しむ観光客

エル・グレコの絵に描かれているアルカンタラ橋からサン・マルティン橋まで、イスラムの影響が随所に残る旧市街の端から端まで歩いた。

トレド
イスラムの影響を受けた馬蹄形の門
トレド
サン・マルティン橋
トレド
サンタ・クルス美術館の中庭に面した回廊

サンタ・クルス美術館で中庭を取り囲む格子天井のある回廊を歩き、エル・グレコの絵も鑑賞した。(文・写真/秋山秀一)