平野さんが、会計事務所を営んでいた夫・和正さんと永の別れになったのは、2020年11月。
享年78歳。
前立腺がんを発症してから約2年後のこと。
公開 2023/01/07(最終更新 2023/01/04)

書いていると心が落ち着きました
亡くなってから相当な時間「ぼうっとして何も考えられなかった」という平野さん。
一周忌を迎えるに当たって、二人で歩んだ永い年月の、あふれる思いを文章にまとめて、子どもや孫たちに残しておきたい、と思いました。
「夫とのこと、家族とのこと……。書き続けることで、心が落ち着くのでした」と振り返ります。
編集担当者の勧めで初めての著書を刊行
そんな折、新聞で作文を募集していることを知ります。
朝日新聞と文芸社(東京)が実施している〈第二の人生に巻き起こる家族の物語〉をテーマにした「Reライフ文学賞」コンテストの募集。
最優秀賞の作品は単行本として出版されるとのこと。
平野さんは思い切って応募しました。
最優秀賞には選ばれなかったものの、思わぬ展開に。
担当編集者が原稿の内容と文章に感動して、「ぜひ、単行本に」と声を掛けてくれたのです。
B6変形判、60ページ。ハードカバーのかわいらしい本が昨年11月に完成。

「夫も私も3月生まれで、大好きだったかすみがかった青灰色の空の写真でと話したら、こんなすてきな装丁の本にしていただきました」と平野さんはほほ笑みます。
平野さんは現在も、地域新聞社が主宰する「ちいきカルチャー四街道」の文章教室で月2回の勉強を続けているそうです。
(取材・執筆/ひのき)
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