昨年10月2日、旧成田市立中郷小学校の跡地を地域コミュニティーの醸成と健康づくりの交流施設として活用されている中郷ふるさと交流館で防災講座が開催されました。
公開 2023/01/12(最終更新 2023/01/11)

日頃から考える災害の備えとは
「肩に力を入れずに、日頃から災害について備えることを意識してもらいたい」と話すのは、大学講師や学芸員、大江戸案内人など、多方面で活躍する傍ら、被災地でボランティア活動も行う同講座講師の野村豊さん。
「車に積んでいた釣り道具が災害時に活用できたんですよ」と野村さんが話すと、参加者は興味津々。
被災時における日用品の活用術から災害現場での体験談など、20人の参加者に向けた講義は、内容盛りだくさんでした。

段ボールで作る避難先での必需品
野村さんの講義の後は、段ボールやはさみ、クラフトテープを使った工作タイム。
「避難所の固い床に直接長い時間座っているのは想像以上につらい」という理由から、一つ目の工作は、収納もできて持ち運べる「段ボールいす」。
簡単な製作工程以上に驚いたのは、その強度と座り心地で、思わず座り込む参加者も。

「心身にたまる疲労を回避するためには、自分の休息場所を確保することも重要」ということで、続いての工作は、足回りが頑丈で倒れにくい「パーティション」。
「広い避難所で、プライバシーを確保することは一人一人に配慮されるべき点」と語る野村さんは、避難所の環境や衛生面から、そこの「地域力」が見えてくると話します。

被災地から見える本当に必要な備え
東日本大震災によって、同い年のいとこの命を失った野村さん。
誰の身にも起こり得る災害は多種多様で、予測不能。
「災害のために家族で備えることを日頃から話し合えていますか?」と問いかけ、停電や断水の中、3日間を乗り切るために何が必要かを話し合うグループワークも、思考を深める時間になりました。
避難所で本当に必要なのは、情報確保とその共有。
いざという時の地域力とリーダーシップは、一朝一夕で築けないからこそ、普段からの備えとトレーニングが大切であることを参加者に伝える野村さん。
そこには、災害発生時に助け合える住民や家族の協力が、ずっと住み続けたい安心できる地域づくりにつながるというメッセージが込められています。(取材・執筆/よみ)
※問い合わせ
電話番号/0476-20-1507
成田市市民協働課