訪れた国や地域90以上、海外への旅は215回。

旅行作家の秋山秀一さんが、自身で撮影した写真とともに、世界の街を歩いた思い出をつづります。

秋山秀一さん

秋山秀一さん
旅行作家、元東京成徳大学教授、NHK文化センター講師。日本旅行作家協会顧問理事、日本エッセイスト・クラブ理事、日本外国特派員協会会員。ちばぎん総合研究所発行『マネジメントスクエア』の連載「旅の達人が見た 世界観光事情」他、多数の旅行エッセーを執筆。鎌ケ谷市在住。鎌ケ谷市国際交流協会(KIFA)会長、鎌ケ谷市都市計画審議会会長。

 

カッパドキア
ゼルヴェ近郊のバシャバー。カッパドキアのなかでも、奇岩の岩山「妖精の岩山」が最も美しく、世界中からやってくる観光客に人気の場所

公開 2023/02/25(最終更新 2023/03/08)

編集部

編集部

千葉・埼玉県在住の編集メンバーが、地域に密着して取材・執筆・編集しています。明日が楽しくなる“千葉・茨城情報”をお届けします!!

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ファンタジーの世界のような奇岩エリア

トルコのアナトリア高原中央部に広がる奇岩地帯、カッパドキア。

さまざまな形状の岩の塊、岩山に掘られた洞窟住居、洞窟教会や修道院、キリスト教壁画、それに地下都市。

これらを見るために、世界中から観光客がやってくる。

カッパドキア
バシャバーの「妖精の煙突」 岩山の洞窟教会を見学する観光客

キノコのような形状の奇岩。

日本では「キノコ岩」と呼ぶが、現地では「妖精の煙突」という。

火山の噴火活動によって噴出した火山灰と溶岩の互層が、長年の風化で差別浸食を受けた。

火山灰が固まってできた凝灰岩は風化に弱く、溶岩(玄武岩)が乗った柱の部分だけが残り、このような形になった。

デヴラン谷の「ラクダ岩」や「妖精の煙突」が数多く分布するパシャバー地区は、特に人気のフォトスポットだ。

カッパドキア
道の両側に「妖精の煙突」が続く(バシャバー)
カッパドキア
岩穴から見る「妖精の煙突」
カッパドキア
デヴラン谷のラクダ岩

地下都市観光と気球による空の旅

カッパドキア
岩山に掘られたギョレメ野外博物館
カッパドキア
ギョレメ野外博物館。教会内部の壁画を紹介するパネル。教会内部は撮影禁止。壁画の写真を撮ることができないので、このパネルの写真を撮る観光客も多い

ギョレメ野外博物館では、教会内部の壁画をじっくり鑑賞。

カイマクルの地下都市に入ると、入り口のそばに動物小屋の跡があった。

小さい穴は餌置き場だ。

赤い矢印に従って地下4階まで、狭いトンネルの通路をかがんで歩いていく。

カッパドキア
カイマクル地下都市。狭いトンネルの通路を歩いていく

台所もあれば教会もある。

戻る時は青い矢印に従って歩く。

約30分間の地下都市観光だ。

カッパドキア
世界中からやってくる観光客を乗せた気球が飛ぶ、ローズバレー上空
カッパドキア
一斉に飛び立っていく気球

「ゴー」。時折、ガスが噴き出る音がする。

他に音はない。

風に流されながら、気球はゆっくり上昇していく。

ローズバレー上空700mから眺めるカッパドキアのパノラマ。

快適な、1時間。忘れられない気球の旅だ。(文・写真/秋山秀一)

カッパドキア
気球から眺める奇岩の数々