訪れた国や地域90以上、海外への旅は215回。
旅行作家の秋山秀一さんが、自身で撮影した写真とともに、世界の街を歩いた思い出をつづります。

公開 2023/02/25(最終更新 2023/03/08)

ファンタジーの世界のような奇岩エリア
トルコのアナトリア高原中央部に広がる奇岩地帯、カッパドキア。
さまざまな形状の岩の塊、岩山に掘られた洞窟住居、洞窟教会や修道院、キリスト教壁画、それに地下都市。
これらを見るために、世界中から観光客がやってくる。

キノコのような形状の奇岩。
日本では「キノコ岩」と呼ぶが、現地では「妖精の煙突」という。
火山の噴火活動によって噴出した火山灰と溶岩の互層が、長年の風化で差別浸食を受けた。
火山灰が固まってできた凝灰岩は風化に弱く、溶岩(玄武岩)が乗った柱の部分だけが残り、このような形になった。
デヴラン谷の「ラクダ岩」や「妖精の煙突」が数多く分布するパシャバー地区は、特に人気のフォトスポットだ。
地下都市観光と気球による空の旅
ギョレメ野外博物館では、教会内部の壁画をじっくり鑑賞。
カイマクルの地下都市に入ると、入り口のそばに動物小屋の跡があった。
小さい穴は餌置き場だ。
赤い矢印に従って地下4階まで、狭いトンネルの通路をかがんで歩いていく。

台所もあれば教会もある。
戻る時は青い矢印に従って歩く。
約30分間の地下都市観光だ。
「ゴー」。時折、ガスが噴き出る音がする。
他に音はない。
風に流されながら、気球はゆっくり上昇していく。
ローズバレー上空700mから眺めるカッパドキアのパノラマ。
快適な、1時間。忘れられない気球の旅だ。(文・写真/秋山秀一)

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