真っ白な生地にホイップクリーム、金色のはちみつ。
ありそうでなかった、至福の素材を組み合わせたクレープが評判を呼び、人気を集めています。
船橋市を拠点に始動し、現在は出店場所を一都三県に広げてファンを増やしているキッチンカー「しろのはち。」。
ワンコインで食べられる「映える」クレープ、その誕生秘話やこだわり、店主の思いについてたっぷりご紹介します。
※記事中の価格は全て税込み
公開 2023/02/06(最終更新 2023/12/26)

白いキャンバスに好きな色を重ねるように、自分好みのクレープを
アイボリーホワイトの車体に「クレープ」の大きなのぼり旗が目印のキッチンカー「しろのはち。」。

2021年11月、船橋市を拠点に始動し、現在は千葉県・茨城県・群馬県そして東京都に出店しています。

しろのはち。を企画する前からスタッフが共有していたというクレープのイメージがこちら。
「白い生地に、白いホイップクリーム、金色のはちみつという絵が頭の中にあったんです」と、代表の荒井隆明さんは笑顔で振り返ります。
「ありそうでなかった組み合わせでしょう?」の問いかけに深くうなずく方も多いのではないでしょうか。
はちみつを選んだ理由は「好きだから」と朗らかに笑うおふたり。
クレープ生地を作る粉を選ぶところから始まり、生地とホイップに合うはちみつ探しにも奔走したといいます。
生地に卵は使用せず、焼き時間と温度にこだわり白くもちもちの食感を実現。

しろのはち。では生地の作り置きはせず、オーダーが入ってから焼くスタイルを採用しています。
「混雑時はお待たせしてしまうこともあるかもしれません」とのことですが、「作りたてのクレープは、ふんわりもっちり。一口頬張れば思わず笑顔になる、別格のおいしさを味わってほしい」と荒井さんは話します。
クレープ屋さんにある、いわゆるメニュー表は、しろのはち。にはありません。
店頭にあるオーダーシートに記入し、自分好みのクレープを注文できる仕組みです。
「白いキャンバスに好きな色を並べて絵を描くように、自分が食べたいクレープを楽しんでほしい」という荒井さんの思いを形にしました。

まず、生地は「白」(400円)か「抹茶」(450円)のどちらかを選びます。
次にトッピング(各20円)。
「大人気」「ホイップ」「ソース」「フレーク」「パウダー」そして「限定トッピング」から、自分の好きなものを、好きなだけ。
…これは迷います。
でも大丈夫。
店頭に立つ荒井さんが丁寧に相談に乗ってくれますよ。
「チョコバナナ」「黒蜜きなこ」など人気の組み合わせも提示されているので、まずは定番人気メニューを選んでみるのもいいかもしれません。
キッチンカーで白いクレープを購入してみた!
では、さっそくキッチンカーで白いクレープを注文してみましょう。
この取材が決まった時から、しろのはち。の代表作とも言える「はちみつとホイップクリーム」をオーダーしようと決めていました。
同行した次男(年長・6歳)は、店頭に掲示してあった「イチゴソースとカラースプレー」をチョイス。
実は注文前に荒井さんから「販売場所やお客さま層によって人気メニューはさまざま」というお話をうかがっていました。
女性が多く訪れる場所では、一番人気は黒蜜きなこ。
お子さんが多い場所では、チョコバナナ。
中でも女の子に人気が高いのが、その愛らしい見た目もあってか、イチゴソースとカラースプレーであると。

しばらく悩んだのち、「僕はこれにする」と、イチゴソースとカラースプレーを指さした次男。
「女子力が高い…」とその場にいた皆で思わず笑いましたが、いやいや偏見はいけません。

口の周りを真っ白にしながら、最後の一口までもぐもぐと食べ続け、実に満足そうな次男。
感想は「ポリポリしておいしかった」とのこと。
カラースプレーの食感が気に入ったようです。
はちみつとホイップクリームの組み合わせはというと、これはもう想像をはるかに上回る、幸福感に包まれるおいしさです。
ぜひ、まず味わっていただきたいです。
もっちりとやわらかい生地に、なめらかなホイップクリーム、濃厚なはちみつの甘さが口の中でふわっと目を覚まして…。
ありそうでなかった、でも誰もが待ち望んでいた、そんなふくよかな味わいは見事。
足しげく通う常連のお客さまが多いのもうなずけます。

しろのはち。では、季節や月替わりの限定トッピングも用意しています。
上の写真は昨年2021年の冬季限定、さつまいもの甘煮にキャラメルソースを合わせたもの。
さつまいもは中にもこっそり、しっかり入っていたそうですよ。
限定メニューはインスタグラムで随時更新されているので、チェックしてみてくださいね。
こだわりのワンコイン。子どもたちの笑顔のために
ここまで読んでくださった中で、お気づきの方もいらっしゃるかもしれません。
しろのはち。では基本メニューはワンコイン(500円)で購入できる価格に設定してあります。
たとえば、チョコ好きの方がよく選ぶというトッピング5選を見てみましょう。

生地(白)400円に、バナナ、チョコソース、チョコフレーク、ココアパウダー、チョコホイップと、各20円のトッピングを5種類オーダーして…
400円+(20円×5)=500円。
これはうれしい…!!
「子どものお小遣いの範囲内で、楽しく買いに来られるように」との思いから、この価格にこだわったと荒井さん。
「地域の子どもたちを大事にしたいと思っています。前回はこの味を食べたから今回はこれを試してみようというふうに、何度も気軽に食べてもらえるクレープ屋さんを目指しています」
また、しろのはち。は船橋市を拠点としていることから、船橋市PTA連合会と交渉し、キッチンカーとしては初の試みとなる「ひまわり110番」のプレートを掲げて見守り活動にも携わります。(同市内営業時)
荒井さんらスタッフの温かい心遣いは、引きも切らず訪れるお客さまにしっかり伝わっているようで、飲み物の差し入れや、子どもたちから「ありがとう」「だいすき」など気持ちのこもった手紙が届くこともあるそう。
作り置きはせず、自分でトッピングを選んだできたてのクレープを、お財布に優しいお値段で。
みんなを笑顔にするしろのはち。の人気の秘密を垣間見たように思いました。
第1回関東キッチンカーNo.1決定戦で優勝!
2021年11月にオープンした、しろのはち。
ちょうど1周年を迎えた2022年秋、「ちょっと遠出して楽しい時間になるといいな」という軽い気持ちで応募し参加したという第1回関東キッチンカーNo.1決定戦。
群馬県邑楽町で地域活性イベントとして開催された同イベントには、関東一円から18店が参戦、ご当地メニューや焼きそば、スイーツなどを販売する人気キッチンカーが勢ぞろいし、来場者の投票により順位を決定しました。
しろのはち。は、出足こそ遅れたものの午後になって徐々に票を伸ばし、荒井さんも「想像もしなかった」という獲得票数第1位に!
始動からちょうど1年、一躍その名と存在が脚光を浴びることとなりました。
「当日、現地まで足を運んで応援してくださった皆さま、初めてしろのはち。のクレープを食べて投票してくださった皆さま、多くの方々に支えていただいて成し遂げた優勝です」と荒井さんは、実はまだちょっと信じられないんだけど、という表情ものぞかせながらうれしそうに話してくれました。
今後の展望についてうかがうと、
「今回、関東キッチンカーNo.1決定戦で優勝したこと、SNSで出店予定を発信していることから、おかげさまで全国区で知名度は上がっているようなのですが、今後も特に販路を広げていくというよりは、これまで通り自分たちが生まれ育った土地やお世話になった町を中心に出店していきたいと考えています」と、丁寧に答えてくださった荒井さん。

地域思いのキッチンカーの旅は2年目を迎え、元気と人気の味を携えて今日もおいしさと笑顔を届けに走っています。
出店予定など詳細はインスタグラムで更新されていますので、チェックしてみてくださいね!
白いクレープのキッチンカー しろのはち。
HP/https://www.shironohachi.jp/
インスタグラム/@shiro_no_hachi