小谷さんは、父親を亡くして祖母のいる広島市に来た翌年に、6歳で家の中で被爆。

自分だけは無傷でしたが、弟を大火傷で、母を6年後に白血病で失い、祖母、姉、兄との4人で戦後の厳しい生活を生き抜きました。

公開 2023/02/09(最終更新 2023/02/06)

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東京生まれ。月の出ている日は必ず見つけて写真に撮りブログにアップする月大好き人間です。果物を食べながら、「この果物はどうやって生まれてきたのかな?」とすぐ考えるタイプ。ちなみにプロフィール写真は、以前記事作成のために撮影した栗の赤ちゃんです。

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人形のあっちゃんと腹話術で被爆体験談

小谷さんは、働きながら学び幼稚園の先生になる夢を叶え、35年勤務。

その間に習った腹話術を生かし、今は人形のあっちゃんと被爆体験を伝え続けています。

「腹話術」で被爆体験を語る小谷孝子さん。佐倉市・八千代市で動画公開
あっちゃんと小谷孝子さん

被爆の怖い話も、あっちゃんが「怖いね」「悲しいね」と返すと、子どももじっと小谷さんの話に耳を傾け聞いています。

2015年には、ピースボートの「ヒバクシャ地球一周証言の航海」に参加。

3ヶ月以上かけて23ヶ国をまわり、17年の核兵器禁止条約採択につながる力となりました。

「腹話術」で被爆体験を語る小谷孝子さん。佐倉市・八千代市で動画公開
2017年ICANノーベル平和賞受賞記念ツアーに参加

被爆で無傷だったからこそ「伝える使命」

2003年、腹話術全国大会が広島であり、被爆体験談をと請われた時、「被爆で傷も負わず元気な自分に語る資格はない」と断ろうとしたそうです。

広島の友人の「ケロイドもなく、病気もないから、あなたは笑顔でいられるのよ」の言葉が、つらく心に残っていたからです。

でも、お姉さんから「被爆して重症だった私には、その時の記憶がないの。無傷だったからこそ、悲惨な光景や人たちの姿をあなたは見たはず」と言われ、被爆者の思いを伝えるのが元気な自分の使命と歩き出し、20年になります。

「腹話術」で被爆体験を語る小谷孝子さん。佐倉市・八千代市で動画公開
学校で被爆体験を伝えている小谷さん(佐倉市提供)
「腹話術」で被爆体験を語る小谷孝子さん。佐倉市・八千代市で動画公開
学校で被爆体験を伝えている小谷さん(佐倉市提供)

「武器で守るのではなく、人を思いやる心を広げることが平和への道」と語る小谷さん。

ネット公開されている被爆体験を見てみませんか。(取材・執筆/F)

【佐倉市】被爆体験講話の動画サイト

【八千代市】被爆体験講話の動画サイト