道の駅はその地域ならではの「味」を堪能できるのが魅力です。地場産の素材を使い、地域の人が作る「ご当地グルメ」もその一つ。そんなご当地グルメを作り手の視点からのぞいてみました。
目次
焼き立てを届け続ける老舗和菓子屋の思い
白石菓子舗 三代目・白石勝之さん×多古米だんご

※白石菓子舗では1本(70円)単位で販売
焼き立てと書かれたケースをのぞくとそこは空っぽに。「売り切れてしまいましたね」と道の駅多古あじさい館のスタッフが教えてくれたのは、オープン時から販売されている「多古米だんご」。

作るのは道の駅から車で5分ほどの所にある、創業90年を超える老舗の和菓子屋「白石菓子舗」の三代目・白石勝之さん。

地場の素材を使い、安心・安全な和菓子を作り続けるのがお店のこだわり。多古米だんごは看板商品で、多古米玄米だんごも含め5種類の味がお店では味わえます。

一番人気は道の駅でも販売されている「みたらし団子」。だんごには添加物を一切使用していないので「固くなるのが早いんです」と白石さん。そのため一度に大量に作って持って行くのではなく、1日に何度かに分けて焼き立てを道の駅に持って行きます。

お店では注文を受けてから焼くので、温かい状態の出来たてを堪能することも。そこには「多古米だんごをおいしい状態で食べていただきたい」そんな白石さんの思いが込められています。
道の駅多古あじさい館
住所/千葉県香取郡多古町多古1069-1
TEL/0479-79-3456
営業時間/9:00~18:00(キッチンTAKO 10:00~16:00)
HP/https://www.michinoeki-tako.com/
白石菓子舗
住所/千葉県香取郡多古町多古219
TEL/0479-76-2954
営業時間/9:00~19:00(火曜休)
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中身と外身それぞれの強みを生かしたお菓子作り
道の駅いたこ
駅長代行・小澤禧雄さん 統括マネージャー・給前優さん×虹どら

日本有数の米どころ茨城県産の米粉を使って焼き上げられた皮に、自家製あんをたっぷり挟んだ「虹どら」は道の駅いたこの「顔」。定番の味は、おぐら、こしあん、くり、あんクリーム、青梅、おもち、きんかんと商品名の虹にちなみ7種類。

この虹どら、施設内にあるお菓子の製造工場「虹工房」で作られている道の駅いたこの完全オリジナル商品。

開発を担当したのは、菓子職人として長いキャリアを持つ小澤禧雄(よしお)さん。「洋菓子も和菓子も作ってきたのでたいていのお菓子は作れます。味見をすればどんなものが売れるのか分かるんです」と話すように、虹どらは施設オープンから20年、変わらない人気で地元の銘菓として定着しています。
そんな小澤さんとタッグを組むのは、統括マネージャーの給前(きゅうぜん)優さん。オリジナル商品の企画やパッケージ作りを担当。「こだわらないと商品は作れません」という2人は、道の駅いたこの次なる「顔」を作り続けています。
道の駅いたこ
住所/茨城県潮来市前川1326-1
TEL/0299-67-1161
営業時間/9:00~19:00
(おふくろ亭・グラウンドゴルフ9:00~17:00/米粉麺フォー11:00~15:00※土日のみ営業)
HP/https://www.michinoeki-itako.jp/
秩父の「おいしい」がこの一杯に 気軽で本格!道の駅の立ち食いそば
秩父そば 昌楽 新井康哲さん×秩父そば

荒川源流の澄んだ名水と、米作りには不向きなやせた土地。そんな秩父地方は古くからそばの産地として有名です。

道の駅ちちぶでは、その自慢の秩父そばを立ち食いスタイルで気軽に味わえます。
出店しているのは、親子3代で約半世紀続く、市内の人気店「昌楽」です。
昌楽の3代目で、系列店「WINE BAR 昌楽」のオーナーソムリエ・新井康哲(やすのり)さんに、秩父そばの特徴について聞きました。
「お米が育ちにくい秩父では、昔から家庭でそばやうどんを打って食べていました。かつては、女性は『そばが打てないと嫁にいけない』と言われたとか。
今では、秩父の名水を求めて外から出店してきたそば店もありますが、昔ながらの秩父そばは素朴な家庭の味なんです」。
「昌楽のそばは、創業者の祖父が子どものころから食べて育った母親(曾祖母)の味です。
粗挽きの田舎そばはどこか懐かしく、『また食べたくなる味』と好評で、生そばは日本全国から注文があります」とのこと。

道の駅店でのお薦めは、あたたかい「しゃくしなそば」。秩父の特産しゃくし菜漬を塩抜きして油で炒めた具がたっぷり乗っていて、シャキシャキ食感がたまらない一品です。

冷たいおそばでは、同じく秩父名物の「くるみだれそば」を。濃厚でまろやかな自家製くるみだれが、おそばによく絡んで風味豊か。真冬でも人気だそうです。
「道の駅はトラックドライバーさんたちや、団体旅行のバスも多く立ち寄られるので、さっと出せてパパッと食べられる立ち食いスタイルになっていますが、ちゃんと注文ごとに生そばを茹でて作っているので、そば湯もしっかり味わえます」と新井さん。
「ここ数年で秩父にキャンプ場やアクティビティースポットが増えたこともあって、道の駅を訪れる若者やファミリー層が増えています。そば、しゃくし菜漬、くるみ、全部秩父の名産ですので、ぜひ味わってほしいです」と話してくれました。

道の駅ちちぶ
住所/埼玉県秩父市大宮4625
TEL/0494-21-2266
営業時間/9:30~17:30
秩父そば 昌楽 道の駅店
営業時間/10:00~16:15(土日祝~16:30)
HP/https://www.michinoeki-network.jp/chichibu/