印西市立本埜中学2年の加藤結虎(ゆいと)さんは500年以上続く同市中根の中根鳥見神社の神楽の伝承者として、稽古に励んでいます。

「始めたばかりで模索中ですが、舞うことが楽しい」と積極的です。

公開 2023/02/27(最終更新 2023/09/01)

ソバ

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大手新聞社の記者を続け、定年延長も終わったので、地域の話題を取材したいと、地域新聞様にお世話になっています。明るく、楽しく、為になる話題を少しでも分りやすく紹介したいとネタ探しの日々です。子どもの頃から麺類が好きなのでペンネームにしました。

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子どもの時から鑑賞神楽を身近に感じる

印西市 神楽 加藤結虎
稽古する加藤結虎さん

本埜小学校が同神社の近くということもあり、児童は授業の一環で毎年神楽を鑑賞する他、地元の子どもたちは幼い時から家族に連れられて神楽を見る機会があるため、結虎さんもずっと神楽を身近に感じてきました。

中学1年生の時に同神社の大和神楽保存会に入会し稽古を始める予定でしたが、コロナ禍の影響で2年生から参加。

父親の陽一郎さんも会員です。

神楽とは日本の神道の神事において神様に奉納をするための歌舞で、楽器の演奏に合わせて舞います。

同神社の神楽は大和神楽と呼ばれ、県指定の無形民俗文化財です。

篠笛、大太鼓、小太鼓の3種類の楽器があり、初心者は何種類かの舞いを覚えることを主としながら、楽器の稽古もします。

笛や太鼓について結虎さんは「音を合わせるのが難しい」と話します。

指導者の下、鈴などの小道具を使い、笛、太鼓に合わせて舞を稽古します。

教科書はないので、口伝(くでん)や指導者の後について同じように舞いながら覚えていきます。

結虎さんは週2日、1日当たり40分ほど稽古をします。

2人一組の舞いタイミングが難しい

印西市 神楽 中根鳥見神社
中根鳥見神社の神楽(印西市教育委員会提供)

「始めたばかりですが、舞うことと、稽古後に大人から子どもまでみんなでおしゃべりをすることが楽しい」と結虎さん。

一方で、「2人一組で舞う時は、2人の息やタイミングを合わせるのが難しい」とも話します。

結虎さんの所属する大和神楽保存会は役員3人、会員は男女合わせて15人ほど。

大和神楽は別名「12座神楽」ともいい、狐の面を着けて舞います。

自然の中で生きる喜びを表現するなど12の演目があるうち、現在は後継者不足もあり、7、8演目に絞って舞っています。

地域住民たちは、夏の大祭では山車に乗り笛太鼓のおはやしに専念するなど、物心ついた頃から神社に関わってきました。

結虎さんが継承者として稽古を重ねる姿は、この地域の喜びであり、宝です。

※問い合わせ
TEL/0476(97)0123
中根鳥見神社