よく見ると、鎌ケ谷市内を流れる川は、まるで四方に向かって流れ下っているようで、とても不思議です。
一体、なぜそうなっているのでしょうか?
公開 2023/03/07(最終更新 2023/03/02)

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東京生まれ。月の出ている日は必ず見つけて写真に撮りブログにアップする月大好き人間です。果物を食べながら、「この果物はどうやって生まれてきたのかな?」とすぐ考えるタイプ。ちなみにプロフィール写真は、以前記事作成のために撮影した栗の赤ちゃんです。
記事一覧へ市外に流れ出ていく川しかない鎌ケ谷市
鎌ケ谷市の地図を見ると、大きな川がなく、川が市内に発して、それぞれに周囲の柏市、船橋市、市川市へと、別々の方向に流れていることに驚かされます(地図参照)。
市街地で平坦な場所が多いのに、なぜでしょうか。
雨水が異なる方向に流れる境界を「分水界」といいますが、実は鎌ケ谷市は、下総台地の東葛地区内で最も高台にあります。
平坦な地に思えても「分水界」がある地域。
鎌ケ谷市生涯学習推進センター(まなびぃプラザ)そばの右京塚との交差点付近(★)が、東京湾、手賀沼、印旛沼へと流れる三水系の分水界となっているのです!
三水系の分水界が平地にあるのは全国的にも珍しく、「雨の三叉路」と名付けられ、まなびぃプラザの玄関前に2012年、市民の力によってモニュメントが作られました。
今も、三水系を象徴したモニュメントが「雨の三叉路」のことを人々に伝え続けています。
鎌ケ谷市で川の不思議を体験してみよう
分水界は山岳地にだけあるものと思われがちですが、一見平坦な地にもあります。
兵庫県丹波市には、川が日本海と瀬戸内海へと二手に分かれ、観光名所となっている分水界もあります。
残念なことに、鎌ケ谷市の分水界は目では確認できません。
ですが、自分の見慣れた水系以外の川を訪ねてみましょう。
東京湾への川を見慣れた人が大津川を訪ねれば、手賀沼に向かい北へ下る流れに驚き、分水界の存在を感じられるはずです。
また、鎌ケ谷市内には、川の源流地点がたくさんあります。
地図を片手に川を上流へとさかのぼれば、雨水が川を生み出す様子が、山奥に行かずとも地元で見てとれるでしょう。
鎌ケ谷市の川の特色を知り、楽しんでみてはいかがでしょうか。
