「江戸前ちば海苔」が大ピンチ!
そこで県内の小学生19人が「江戸前ちば海苔広め隊」を結成。
千葉の海苔事情を徹底調査し、成果を千葉市内の小学校で発表しました。
公開 2023/03/21(最終更新 2023/03/15)
東京湾の水温が1度上がっただけで

かつては全国1位の海苔生産量を誇った千葉県ですが、この10年で生産量も海苔漁師の数も3分の1に減りました。
また、地球温暖化により東京湾の水温は40年前より約1度上がり、23度以下で生育を始める海苔の環境の悪化や、冬でも餌を食べるようになったクロダイによる食害、排水規制で海がきれいになりすぎて栄養不足になり海苔が色落ちするなど、問題がたくさん起きています。
こうした海の現状を小学生に知ってもらい、自分ごととして未来への行動につなげるために開催されたのが、体験型学習プログラム「江戸前ちば海苔広め隊」です。
日本財団「海の日本プロジェクト」の一環として、千葉では千葉テレビが事務局となって企画を担当。
昨年は現在の君津市が県内で初めて海苔の養殖を開始してから200年となることから「海苔」がテーマに選ばれました。
プログラムに参加したのは県内の小学5・6年生19人。
昨年8月20日・21日の2日にわたって、海苔養殖の現状や課題を学ぶだけでなく、船に乗って養殖場を見学、漁師飯を作って食べる、さらにはウェザーニューズ社で天気予報を活用した水温の変化など海苔養殖への影響を学び、その成果をレポートにまとめました。
千葉産の海苔は濃厚で風味がいい!
2月6日の「海苔の日」には、この体験学習の成果発表会が千葉市立千城台わかば小学校で開かれました。

同校から「広め隊」に参加した5年生の山之内沙月さんは「千葉の海苔は単価が全国で一番高いですが、それは味が濃厚で風味がいいからです。ぜひ千葉県産を専門店で買ってほしい」とアピール。
また「水温が高くても生育する新品種『ちばの輝き』が開発されたのは、生産者さんの努力の結晶」と生産者にエールを送っていました。
千葉テレビ業務本部の関亮太さんは「海苔をおいしそうに食べる子どもたちの笑顔は格別でした。これをもとに、千葉の海を守る行動を起こしてもらえたらうれしいです」と。

今後のプロジェクトで、どのようなアクションが展開されるのか楽しみです。(取材・執筆/夕凪)
※問い合わせ
メール/umi@chiba-tv.com
海と日本プロジェクトin千葉県実行委員会 関