東京五輪体操金メダリストの橋本大輝選手(順天堂大学3年)が、母校である市立船橋高校で3週間の教育実習を行いました。
最終日の2月10日、「橋本先生」の授業や部活動の様子を取材しました。
公開 2023/03/29(最終更新 2023/03/23)

生徒に考えさせ、意見を聞きだす授業

この日実習を行ったのは、1年生の保健体育。
紺色のスーツにえんじと白のチェックのネクタイ姿の橋本先生は、初々しくも落ち着いた様子で出欠を取ります。
この日の授業は「感染症の予防について」。
普段の感染対策やワクチンのメリット、デメリットについて生徒の意見を聞きながら、大事なところはワークシートに記入させ、授業を進めていきます。
教室を回り、生徒の様子をしっかり確認しています。

「知識ばかり植え付けるのではなく、生徒自身に考えさせる時間が大切。そうすることで自分から意見を言えるようになると思う」と考えを述べました。

指導ではなくコミュニケーションを

体育の実技では、「見本を見せてもその通りにできない生徒をできるようにするのが一番大変だった」とのこと。
自分が動く側でいる時には分からなかった、教える側の大変さを知ったそうです。
動きのイメージを言語化することが難しく、悔しい思いもしたと言う橋本先生。
どのようにしてできるようにしていくかを考え、段階を踏んで練習させることが大切だと思ったそうです。
放課後は古巣の体操部で生徒と共に体を動かしました。
「指導者というより、壁を作らずにコミュニケーションが取れるような人になりたい。それができれば生徒と信頼関係を築けると思うので、そこを意識しています」と話してくれました。

金メダリストからのメッセージ

最後に、運動が苦手な子どもたちに、こんな言葉を頂きました。
「すぐにできるようになるものではない。継続することが大事」
「すぐに結果を出そうとするより、長い先にどう結果を出すのか、考えながらやっていったらいい」
真剣な表情で答えてくれたその言葉に、橋本選手がこれまで歩んできた並々ならぬ練習の日々と、これからもたゆまぬ努力を続けていく姿を見た気がしました。
(取材・執筆/松)