千葉県では1980年以前から問題になっているヤマビル。

ハイキングやキャンプなどの野外活動をする際に、吸血被害に合わない対策を聞きました。

公開 2023/03/27(最終更新 2023/03/23)

ちいき新聞ライター

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ヤマビルの活動は4月から11月

ヤマビルってどういう生き物なのでしょう。

ヤマビル
体長3~4cmのヤマビル

ヒルを生息地によって大きく分類すると

ヤマビル研究会の谷代表は「赤褐色で背面に3本の黒い縦線があり、大きさは1.5〜8cm、前後に吸盤を持ちしゃくとり虫のように移動します」と話します。

気温が25度以上で雨が降っているときや雨上がりの日に特に活発に。

日陰の湿った環境を好み、落ち葉が堆積したところやイノシシやニホンジカなどの野生動物が通る獣道などで生息し、人の息に含まれる炭酸ガスや体温に反応して、近寄ってきます。

足元にご用心 多くは靴からの侵入

最大の要因は長期にわたる日本林業の低迷です。

伐採して使われるはずだった森の木が増え、花や実が育たず、動物の餌が無くなり、餌を求めて動物が里山や人家周辺に降りてくるようになりました。

ヤマビルを運ぶ動物たち

山奥に生息していたヤマビルは、シカやイノシシに吸血付着することで里山まで運搬され、生息域を拡大させてきたのです。

吸血被害はハイキングやキャンプ、渓流釣り、山林作業をする人の間で全国的に増えています。

吸血されないためには「ヤマビルは少しの隙間から侵入するので、靴下は長めで厚手の網目の細かいものを着用し、ズボンの裾を靴下に入れて」と谷さんは強調。

ヤマビル専用の忌避剤や20%食塩水を靴やズボンにスプレーすることも予防になります。

休憩する時は乾燥した場所を選び、周りにヤマビルがいないか注意を。

吸血されたらすぐにはがす

ヤマビルが吸血するときはヒルジンという物質で血液を固まらせないようにし、痛みを感じさせない物質を出すため、吸血されていても気が付かないことがあります。

ヤマビルに注意するには
ヤマビルに注意するには

ヤマビルが張り付いていたら「すぐにはがして、傷口から血を押し出すようにして流水でよく洗ってください。数か月かゆみが残ったり、噛み痕が残ることがありますが、血液媒介性の疾病に感染したという事例はありません。慌てずに対処して」とのこと。

ヤマビルを見つけたら食塩をかける、火で焼く、切断するなどして駆除も必要でしょう。

(取材・執筆/江梨)

問い合わせ
ホームページ/https://yamabiru.sakura.ne.jp
ヤマビル研究会