訪れた国や地域90以上、海外への旅は215回。
旅行作家の秋山秀一さんが、自身で撮影した写真とともに、世界の街を歩いた思い出をつづります。

公開 2023/04/22(最終更新 2023/12/21)

「海の桂林」で漁師直売の海の幸をいただく
ベトナム北東部の石灰岩地帯に位置するハロン湾は、年間百万人を超える観光客が訪れるベトナム随一の景勝地。
中国の桂林に似ていることから、「海の桂林」とも称されている。

昼前に観光船に乗り込むと、ゆっくりとハロン湾内を遊覧しながら、船内で昼食となる。
昼食が始まると、観光船に漁船が横付けされ、漁師が乗り込んでくる。
セットメニューとは別の、新鮮な海の幸の販売だ。
買ったらすぐに船内で調理してくれる。

石灰岩や鍾乳洞が織り成す不思議な景観

海上に林立する石灰岩の岩山の数々。
遊覧する船から眺める、この風景。
「いいなー」と思う。
これが世界自然遺産、ハロン湾の風景なのだ。

岩の形が犬やゾウなど動物に似ているもの、2羽のニワトリが向き合うように並ぶもの…船の位置によって人の横顔に見えるものもある。

船に乗って1時間半、鍾乳洞のある島に着く。
船を降り、ティエンクン鍾乳洞へ。
入場券に描かれているのは、先ほど船の上から見た2羽のニワトリのような形の闘鶏島。
ハロン湾の世界遺産登録マークにも、この島が描かれている。
砂浜にマングローブの若木のある木道を歩き、崖にある階段を上り、鍾乳洞の中に入る。
赤、青、紫などにライトアップされた鍾乳石や石筍(せきじゅん)。
ライオンなど動物に似た形のものもある。
20分ほどで外へ。

土産物屋が数軒並ぶ道を歩き、再び船に乗り込んだ。(文・写真/秋山秀一)
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