今年1月、環境大臣賞を受賞した環境カウンセラーの倉田智子さん。
地元・鎌ケ谷市から広く海外にまで及ぶ長年の環境保全活動と、活動を記録した著作物などが評価されました。
これまでの軌跡を振り返ります。

公開 2023/04/07(最終更新 2023/04/07)

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東京生まれ。月の出ている日は必ず見つけて写真に撮りブログにアップする月大好き人間です。果物を食べながら、「この果物はどうやって生まれてきたのかな?」とすぐ考えるタイプ。ちなみにプロフィール写真は、以前記事作成のために撮影した栗の赤ちゃんです。
記事一覧へ「環境庁」時代から環境保全の推進役に
「子どもの頃は、図鑑、理科年鑑を愛読し自然は好きでしたが、自然にこれほど深く関わるようになったのは、45年前に自然豊かな鎌ケ谷市に来てからです」と話す倉田さん。
1985年に環境庁(現環境省)の国立公園サブレンジャーの募集を新聞で見つけ、応募しました。
応募条件だった日本自然保護協会へ入会し、「自然観察指導員」養成講座を受講。
サブレンジャーになり、富士箱根伊豆国立公園に通って自然ガイドをした7年が、貴重な経験となりました。
1996年、地域の環境保全の推進役となる人材を審査・登録する「環境カウンセラー」制度を環境庁が始めると聞き、市民部門に応募。
1期生となりました。
地元や海外で八面六臂の活躍
北総台地の高所にあり、分水界のある鎌ケ谷市。
手賀沼、印旛沼、東京湾の3方向へと流れるその不思議な川を、仲間を募って一緒に調べ、手賀沼・印旛沼の水質浄化活動を開始しました。
また、市民に広く環境について知ってほしいと、市役所に環境展の開催を提案。
今でも「環境フェア」として続いています。
子どもたちにも地元の自然に親しむ機会を作りたいと、市民プールで20年、児童センターでは15年、自然観察会を続けました。
NHK学園の「自然観察講座」講師や日本環境協会の「子ども環境相談室」相談員も務めた倉田さん。
2019年には、日本自然保護協会から「自然保護功労賞」を受賞しています。
国際緑化推進センターの熱帯林造成講座で学び、フィリピン・ミンダナオ島に通って教育支援活動。
エクアドル・ガラパゴス諸島では3カ月間、ダーウィン研究所客員研究員の助手として植物調査などをしました。
幻の昭和放水路の痕跡の調査記録の出版、『子どものための環境用語事典』(汐文社)の執筆参加などの他、昨年は『環境カウンセラーのガラパゴス見聞録』(三省堂書店/創英社)を出版しました。
学び、その知識を人々に伝え広げ、記録も残してきた倉田さん。
皆を楽しませ、これからも刺激し続けてくれそうです。