発症すると生涯付き合っていかなくてはならないリンパ浮腫。

悩んでいる人たちをサポートしたいとの思いから、市川市在住の看護師・田端聡さんが「リンパカフェ」を立ち上げました。

公開 2023/04/15(最終更新 2023/04/13)

ゆき

ゆき

元々インドア派でしたが、市川市に住み始め街歩きが趣味に。島巡りもしています。がんサバイバーサポート中。医療・介護にも興味あり。ネコとお笑い好き

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リンパカフェ設立までの紆余曲折

NPO法人リンパカフェ
リンパカフェ入り口

リンパ浮腫とは、がん治療によりリンパ節の切除や放射線照射でリンパの流れが滞り、腕や脚がむくんでしまう状態のこと。

乳がんでは腕に、子宮がんや前立腺がんでは脚に出やすく、約2割から3割の患者に発症します(症状や経過には個人差があり、全ての人が必ず悪化するわけではありません)。

がん研有明病院の看護師だった田端さんは、リンパケアルームという外来で複合的な治療やセルフケアの指導・日常生活に関する相談対応を行っていました。

もっと気軽に相談できる場があればとの思いから、病院内でさまざまな悩みを話す会「リンパカフェ」を月1回、開催するように。

同病院以外からも参加希望があり、任意団体として外で活動を開始しました。

地域によって情報に差があることに気づき、より多くの場で正しい情報を提供していく必要があると痛感した田端さん。

病院を辞め、2021年にNPO法人「リンパカフェ」を設立しました。

「世界リンパ浮腫の日」のTシャツを持つ理事長の田端さん。悩みにそっと寄り添ってくれます

リンパ浮腫で知っておいてほしいこと

NPO法人リンパカフェ 弾性ストッキングと弾性包帯
弾性ストッキングと弾性包帯。むくみがある部分に圧をかけ、むくみを軽減します

現在はリンパ浮腫についての相談にメールや電話で答えたり、今までと同じ働き方が難しくなった人に向けて在宅就労支援事業団TOKYO-BAYも同時に設立。

治療と就労の両立支援体制を構築し、多様な働き方を周知しています。

ICT(情報通信技術)を活用した在宅ワークの案内をしたり、医療機関などからのケアの相談に乗ることも。

「ハイヒールを履いてはいけない」「重い物を持ってはいけない」などとさまざまな情報が錯綜(さくそう)する中、「リンパ浮腫になったからといって全てを諦めることはないし、逆にしなくてはならないこともない」と田端さんは常に話しています。

その言葉に安心して涙ぐむ人も。

「一人で悩まず、医療スタッフ、患者会などに相談してほしい。一緒に次に進める情報を得られるよう私たちも窓口を広げています。何かあったら問い合わせてほしい」。

田端さんの優しくも力強い言葉がいつも患者を支えています。

NPO法人リンパカフェ

NPO法人リンパカフェ
3月6日は「世界リンパ浮腫の日」。リンパカフェも2018年から啓発イベントに参加

※問い合わせ
電話番号/047-711-1256 NPOリンパカフェ
ホームページ/https://lymphcafe.org