訪れた国や地域90以上、海外への旅は215回。
旅行作家の秋山秀一さんが、自身で撮影した写真とともに、世界の街を歩いた思い出をつづります。

公開 2023/06/24(最終更新 2023/07/16)

びしょぬれになりながら悪魔の喉笛へ
世界最大の滝「イグアスの滝」は、日本とは地球の反対側、アルゼンチンとブラジルの国境地帯にある。
ブラジル、フォス・ド・イグアスのホテルに1泊。
翌日、国境を越えてアルゼンチン側へ向かった。

ビジターセンターから軽便鉄道に乗って、イグアスの滝に通じる遊歩道の入り口へ。
そこから広大な熱帯雨林に囲まれた遊歩道を歩いていく。
水面から煙が舞い上がったように見えるのは、水しぶきだ。
滝の最深部のすぐそばまで行くと、水しぶきが体に吹きかかってずぶぬれになる。
感激の瞬間である。
馬蹄形をしたイグアスの滝の最深部「悪魔の喉笛」が、すぐ目の前にあるのだ。

鉄分を多く含む赤茶けた大地を流れる水は、褐色に染まっている。
興奮状態でレンズにかかる水しぶきを拭き取りながら、カメラのシャッターを何度も何度も切った。
カメラの上でしばし休んだ珍客の思い出

滝のある風景を見るという点では、ブラジル側からの方が展望が良い。
ブラジル側の川に沿った遊歩道を歩いていると蝶々が1匹、カメラの上に止まった。
その後15分以上、そのままカメラから離れなかった。

滝のすぐ下まで続く川の上の遊歩道の端まで歩いていき、体中びっしょりになって写真を撮った。
ゴムボートに乗って滝のそばへも行った。
これもお勧め。
だがカメラは水に弱い。
防水対策は万全に。(文・写真/秋山秀一)
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