2022年の流行語大賞にもノミネートされた「ガチ中華」。海を渡り日本に来た中国語圏の人たちが提供するアレンジなしの中国料理のことを指しています。
松戸市内でもそんな中国料理が食べられるお店がひそかに増えているのですが、今回ご紹介するのは中華デザート。皆さんは中華デザートといえば何を思い出しますか?
中国の代表的なスイーツの種類から、松戸で実際に食べられるメニューまでご紹介します!
公開 2023/05/23(最終更新 2024/02/29)

目次
中華スイーツの種類は?
実はわたくし中国語圏に住んでいたことがあるのですが、それまでの自分の「中華デザート」のイメージといえば、横浜中華街で買ったごま団子やアーモンドクッキー(杏仁酥)のみ。でも中国のスイーツはそれだけじゃないんです。代表的なものをいくつか挙げてみました。
中華レストランの定番デザート!「杏仁豆腐」
中国レストランのデザートとして日本人にもなじみが深い杏仁豆腐。あんずの種の中にある仁の粉末(杏仁霜/きょうにんそう)を使用して独特の香りや風味をつけます。本来のレシピでは寒天を用いてつるんとした食感を楽しみますが、ゼラチンを使用したぷるぷるのタイプも日本では一般的で、コンビニやスーパーマーケットなどでよく見かけますよね。
大きいものはドーナツみたい! 硬さが癖になる揚げ菓子「麻花」
中国の伝統菓子で、麻の花に似ているところから命名されたお菓子といわれています。素朴な揚げ菓子で、これといった特徴はないのですが「ほのかな甘みと食感が癖になる」「止まらない」という声が多く聞かれます。このお菓子を元にした「よりより」というお菓子が長崎や横浜中華街で売られているという情報も。
また大きいものは「大麻花」と呼ばれ、巨大なドーナツのよう。こちらも素朴なお味ですがどこか懐かしい味でほっこりしちゃいます。
飲茶の定番、子どもウケ抜群の蒸しカステラ「馬拉糕(マーラーカオ)」
中国語で「馬拉糕」とはマレーシアのケーキ。マレーシアから来たケーキという説と、マレーシア人の肌の色に似ているケーキという説があるそうです。最近ではコンビニエンスストアやスーパーなどでも売っているので、だいぶ認知度が上がりましたよね。
独特のコクの秘密はラードや醤油。卵をたっぷりと使った、子どもも大好きな優しい味の蒸しカステラです。
日本でいうお月見団子! ラードや塩漬け卵の黄身が入ったものが伝統的「月餅」
秋のお月見の節句「中秋節」をお祝いする際に欠かせないお菓子が「月餅」です。日本でのお月見団子と考えるとわかりやすいかもしれません。
広い中国ですから、中身についてはかなりのバリエーションがあります。日本でもおなじみのあんこやハスの実あん、満月に見立てた塩漬けの卵の黄身、ナッツなどを組み合わせたり、なんと甘くないお肉の月餅などもあるんですよ。
世界中の食品が手に入る業務スーパーでも月餅を見つけました!ナッツと白あんの「五仁月餅」(159円)となつめあんの「棗月餅」(181円)の2種類。
ラードを使った重厚でどっしりとしたものが伝統的な月餅ですが、最近ではコーヒー月餅やチョコレート月餅など新しいフレーバーも出てきて、時代と共に変化しています。日本でも少しずつスーパーなどで見かけることが増えてきたので、ぜひさまざまな月餅を味わってみてください。
カスタードをパイ生地に入れて焼いたお菓子「エッグタルト」
マカオ、香港、中国大陸、台湾などで食べられているエッグタルト。もともとはポルトガルのお菓子といわれ、かつてポルトガルの植民地だったマカオを通じてこれらの国々に広まったといわれています。
カスタードクリームをパイ生地またはクッキー生地に入れ込んで焼いたお菓子で、卵黄が多く使われているのが特徴。焼き上げるとプリンを濃厚にしたような味わいで、小さくても満足できるお菓子です。
実はエッグタルトにはポルトガル式と香港式があるのをご存じでしたか? ポルトガル式はパイ生地で、フィリング部分にこんがり焼き色がついているのが特徴。香港式はクッキー生地とパイ生地の2種類があり、フィリング部分はポルトガル式のような焼き目はないことが多いです。
こちらもうれしいことに業務スーパーで買えちゃいます!
「SWEETS DIARY」洋菓子の作り方を取り入れた新発想の中華菓子が食べられるお店!

2022年にオープンしたこちらのお店は、中国人ママである張さんが松戸に引っ越してきて、この地に根づいたお店をやりたいという思いで始めた中華菓子と洋菓子のお店です。
ショーケースの中で特に目を引いたのが「肉デンプケーキ」。中国語では「肉松小貝」と書き、2017年ごろから中国で流行り始めたといいます。
もともと中国語圏では「肉松(ロウソン)」と読む鶏肉から作る肉デンプはパンに乗せたりそのままおやつとして食べる食材ですが、これをスイーツに使うという発想にはびっくりです。
スポンジケーキにクリームを塗り、肉デンプをまぶすというのが基本の作り方。ここではプレーン、海苔、いちご、チョコ味の5種類が味わえます。

いちご味のデンプケーキを食べてみました。ふわふわとしたスポンジケーキのまわりに、カリカリっとしたあまじょっぱいデンプがまぶされていて、いちごの甘酸っぱさも感じられます。新食感で楽しい!

人気のパイナップルケーキは個包装されているので、手土産やギフトにもぴったり。エッグタルトは週末の限定品だそうです。

ロンジン茶の風味をつけたハスの実のあんと塩漬けの卵黄を包んだロンジン茶パイ包みはまん丸の姿がかわいい。また、こしあんやパイナップルあんなどの月餅、エッグロールなども人気です。伝統的な中華菓子にはピーナッツオイルを使用することが多いそうですが、洋菓子を学んできた張さんはピーナッツオイルではなくバターを使用することで風味をプラスし、日本人にも受け入れやすいお菓子作りをしています。
バターケーキやいちごケーキなどの洋菓子もあります。オンラインショップから買える商品もあるので、遠方の方はぜひチェックしてみてくださいね。
「SWEETS DIARY」の詳細
住所/千葉県松戸市根本3-12
アクセス/ JR常磐線・新京成線「松戸駅」徒歩5分
営業時間/11:00~19:00
定休日/火曜
駐車場/なし
Instagram/@sweetdiarymatsudo
オンラインショップ/https://sweetdiary.stores.jp/
「天廣堂」の戸定珈琲月餅はサザコーヒー× 戸定邸×天廣堂のトリプルコラボ
水戸徳川家の9代藩主だった徳川斉昭(なりあき)の18男として生まれた徳川昭武は、渋沢栄一らと共に1867年のパリ万博に派遣され、コーヒーを知り、愛飲していたといいます。
後に戸定邸を作った昭武は、当時の直筆の日記に「モカ」を愛飲していたと記載。この史実に基づいてモカをフレンチローストで仕上げた『プリンス徳川カフェ』という商品が、サザコーヒーから販売されています。
そのコーヒーを月餅にアレンジしたのが松戸の中華レストランとして知られる天廣堂です。

コーヒー豆を丁寧に挽き、ハスの実あんやシロップとバランスよく混ぜ合わせています。生地にも練りこまれたコーヒーや、ローストされたくるみの歯ごたえが絶妙にマッチした、大人のための月餅です。
店頭ではほかにも塩杏仁豆腐やマンゴープリン、各種月餅などさまざまな中華菓子を買うことができます。月餅や中国茶はオンラインショップでも購入可能なので、興味がある方はこちらもぜひチェックしてみてください。
「天廣堂」の詳細
住所/千葉県松戸市松戸1339-1
アクセス/ JR常磐線・新京成線「松戸駅」徒歩4分
営業時間/11:30~15:00(ラストオーダー14:30)、17:30~22:00(ラストオーダー21:00)
定休日/不定休
駐車場/提携駐車場あり
ホームページ/ https://tenkoudou.net/
「友誼商店 松戸店」では冷凍のごま団子などが入手可能
池袋、新小岩、福岡などにあり、中華食材が手に入る中華スーパーと、リアルな中華フードが食べられるフードコートがドッキングした「友誼商店」。実は松戸にもあるんですよー!
こちらでも中華デザートを発見したのでご報告。黒ゴマペーストや紫芋ペーストが白玉団子に入っている各種の「湯圓(とんゆん)」、上でご紹介した「麻花」の大きいものなどが冷凍コーナーにそろっています。
ほかにもさまざまな食品や飲み物などが見つかる友誼商店。ぜひ宝さがし気分で訪れてみてくださいね。
「友誼商店 松戸店」の詳細
住所/千葉県松戸市本町21-16
アクセス/JR常磐線・新京成線「松戸駅」徒歩3分
営業時間/9:00~22:30
定休日/火曜
駐車場/なし